投資型クラウドファンディング愛好家の案件考察ブログ

不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディング愛好家です。比較的高利回り案件を中心に考察をしています。※当ブログは広告紹介、リンクが一部記事に含まれております。

不動産クラウドファンディング。利回りが低いことのリスクもある。その2。

その1の記事で、既にかなりの文字数となってしまいましたが、

ダラダラと書き始めたこともあり再度まとめ的に書き直します。

↓下記はその1の記事です。合わせてご覧ください。↓

 

題材:不動産クラウドファンディングは利回りが低いことがリスクになりえる。

 

1.利回りが低い=元々の募集金額が大きいことに起因している可能性がある

 

不動産の評価額に基づいた募集金額であることが前提とはいえ、

本来の不動産の評価額より高い金額をつけることは可能と言えば可能。

そのため、人気事業者や案件の見せ方が上手いなどで募集金額を本来より高くつけても満額募集金額を埋められる事業者の場合、

見えづらい形で投資家にリスク転嫁をすることが出来る。

(元々の募集金額を高くつけて、尚且つその一部分を通常より厚い劣後出資として見せれば、あたかも投資家保護に努めている案件のように見せることも出来ます。かなり穿った考え方になりますが、実際、多少そういう方向性の案件も0ではありません。)

そのため、利回りが低いことがリスクになりえるという観点です。

 

2.利回りが低い=市況が良すぎて入手金額が高くついた可能性がある

 

1と違い結果的な部分ですが、現在のようなインフレの状況下だと、

過去の平均的な売買価格を超えた価格が通常価格となりえます。

無論、そのまま上がり続けていく中で案件の運用終了が出来れば何とかなる可能性がある部分ですが(それは1も含めてですが)、

市況が大幅に悪化した時などは、利回りが低い=物件の価格が高すぎた=安くしか売れない=元本毀損という結果に繋がりえます。

これが逆に利回りが高い場合は、=賃料が高い or 入手価格が安い=安く売ってもちょい損で済む=元本毀損まで行かないという可能性もありえるため、利回りが低いことはリスクになりえるという観点です。

 

3.利回りは収入÷物件価格×100でざっくり求められるので、

表面的な数字が高くとも低くても中身の詳細によって意味合いは大きく異なる。

 

同じ利回り5%でもたまたま収入が高い物件を高値掴みしたのと、

たまたま収入が安い物件を家主の困窮などで安く買ってきたのとでは意味合いが違う。

どちらかと言えば賃料が高いことより入手価格が低い方が価値はあるのでは?

と個人的には思う。(これも、一概には言えませんが)

そのため、利回りが低いことがすなわちリスクの低さには繋がらないという観点です。

 

4.アセットタイプとの対比も必要

 

これについては大体の人が何となく理解されていると思いますので、

ちょろっとだけの説明としますが、賃料がほぼ固定的であるレジデンスのマスターリース案件と、期中の収入額が大きく上下するホテルのマスターリースのない案件であれば、同じ想定利回りであっても意味合いが違います。

ここはかなり基本的な部分ですが、案件のタイプによっても違うので、

利回りが低いということがリスクの低さとイコールではない要因の一つとしては挙げられます。ただしもっともホテル案件で利回りが低ければ埋まらないので、これについては基本的には利回りに半分織り込まれているとも考えて良いかもしれません。

 

5.事業者のスタンスによる利回りの配分の大小も関係する

 

当たり前と言えば当たり前のことですが、

物件としての利回りがいくらであったとしても、投資家に対してそれを正直にそっくりそのまま配分しないといけないルールはありません。

極論、レジデンスで6%の利回りが稼げている優良物件を、優良すぎるからということで、投資家に対して2%などで提供して、投資家に払われない4%部分を劣後出資者の利回りを増加させてしまうことも可能です。

これについてもう少し詳細に書くと、

これは事業者側から見て事業にレバレッジをかけるという表現となります。

自社資金は小さく(=劣後出資分のみ)使い、そして自社の利回りが上がるため、

借入を用いた事業のレバレッジと全く同様の効果となります。

普通は、そこまでの差は超短期案件や超人気事業者でない限りつけられないので、

一つ一つはもう少し緩やかなレバレッジとなることが多いですが、

借入よりはパーセンテージにおいても、あるいは(人気があればですが)頻度においても大きく案件を作れるので、

考え方によっては借入を用いるよりも大きなレバレッジをかけられるのが、

事業者側から見た不特法商品のメリットとなります。

逆にそういった大きなレバレッジをかける事業のため、

不特法をメインとしている事業者は自己資本比率が下がることにより、

銀行からの借入がしづらくなるだろうなとも思います。

このあたりは一長一短ある事業ですね。

資本金を増強したり、各種認可を取ったりしてスタートラインに立ち、尚且つ広告宣伝やクラファン用の高価なシステムを導入して事業を開始し、

更に投資家にも銀行より高い利回りを払って、会社をリスクに晒したり銀行から借り入れがしづらい体質にしてまで行うメリットがある事業なのか。

 

とはいえ、いずれにせよ投資家は最終的な事業者の結論としての利回りが全てなのに対して、実際の案件のリスクはあくまで物件としてのリスク全体で考える必要があるというアンバランスさがあるので、利回りが低いことはすなわちリスクの低さを意味していないとも言えるという観点です。

 

ただし、一応、再度補足すると、

これは利回りが低い=リスクが低いとは限らないの観点とは逆の話にはなるものの、

「事業者がサービスして利回りを高くつけている場合、マージンが少ないため、毀損リスクが裏側で上がっている」

という逆パターンもありえます。

5で主に説明したケースとは逆に、本来の物件の利回りが5%なのに対して、投資家の利回りが7%など高い場合は、事業者側の劣後出資の部分に余裕がないため、サービス性は高いものの、不測の事態への備えは薄いとも考えられます。

仮に劣後出資が10%しかなくとも事業者の想定利回りが高い場合は、事業者の利回りを想定より落とすことで優先出資者の利回りが守られるケースがあり得るのに対して、

劣後出資が20%あったとしても事業者の想定利回りが物件の本来の利回りより低い場合は、劣後出資の毀損に至るまでの確率が高いため、優先出資の毀損の確率も実は高いと言えます。

 

これは悪く言えば事業者がレバレッジをかけているとも言えますし、

良く言えば投資家に対して保守的な見積もりを提示しているとも言えます。

例えば原価率の高いコーヒーショップは購入者が転倒してすべてのコーヒーをこぼしてしまったとしても、無償で提供をし直すことが出来ますが、

(という事件が私が他人様の家で倒れている間に身内の間で起こったようです…

元カフェ店員としては当然こういう場合は無償で提供するわけですが、

全員分こぼしたっていうケースはさすがに珍しいなと思いました…笑)

原価率の高いレストランで購入者が転倒して食事の半分を落としてしまったら、

全ての料理をもう一度提供し直すのはもしかしたら厳しいかもしれない。

みたいなことと同じですね。

(分かりづらい説明だったかもしれません。たまたまそういう話をちょっと前に耳にしたので・・・)

基本的には投資家への利回り配分率が大きい方が嬉しいですが、

とはいえ、事業者の利回りが極端に低いというのは問題がある。

とも言えるのかもしれません。

-------------------------

かなり冗長な感じの記事となってしまいましたが、

一言で言うと【不動産クラウドファンディングの案件の良し悪しって意外と難しい】

というか【一概に良いとか悪いとかが簡単に言えない】

ということが言えますね。

 

最も最初の初心者の方が心掛けると良いのかなと思えるのは、

【事業者そのもののリスクが元本毀損に関わる事業なので、倒産リスクの低い事業者の案件を選ぶべし】ということでしょうね。

これはもう多くの人が言っている通りです。

すなわち上場企業系を選んだ方が良いと言えます。

ただし、一部、【運営会社は上場企業系だけど、ファンドの営業者は非上場企業】

という案件、サービスもありますので、そこはよく見られると良いと思います。

(ほとんど特定の事業者の事を指していることになりますので、具体例は今回差し控えます。

が、今後もそういったサービスは増えるのではと感じます。)

 

もう少し不動産クラウドファンディングに慣れてきた方は、

【利回りが低い=リスク低いというわけではないので、利回りが高いことはメリットの方が大きいと判断して高利回り案件を狙う】

というのも一つの判断かもしれません。

私は中級者としてそれをメインに考えて投資判断を行っています。

もしご自身がほんとの初心者よりはスキームや案件の見方についても分かってきたかなと感じられているのであれば、

私のブログなど高利回り案件の考察をしているブログなども参考にしつつ、

自分が投資しても良いかな?と感じられた、

高利回り案件、事業者を積極的に狙うのもアリかもしれません。

ただし、一般的な観点では高利回り=リスク高という傾向であることも事実ですので、

そこは投資は自己責任の前提の下、投資判断をされてください。

私も様々な方のブログや投稿を拝見しつつ、学びつつ、投資判断をしてきました。

幸いにしてデフォルトもなく為替差損以外のマイナスは現在食らったことがありませんが、今後は高利回り案件を中心に投資している以上、

マイナスも食らうことはあるだろうとは考えています。

そのあたりは多少なりとも織り込んだ上で投資されることをお勧めします。

が、タイトルの通り、そのリスクを低利回り案件でも織り込む必要が意外とあるのが不動産クラファンの難しいところでもありますね。

 

私は自分自身が中小企業勤めであること、年齢的には若い方でありまだまだ投資年数を稼げることもあり非上場系の高利回り案件に多く投資していますが、

リスクはあると言えばあるでしょう。

 

ただ、一つ心情的なものも含めて、この記事で最後の最後に言いたいこととしては、

【利回りが低いことをあたかもリスクが低いかのような雰囲気で表現している】

というサービスには良い印象が持てない。

という気持ちが多少あって今回の記事を掲載してみました。

露骨にそういったことを掲載している事業者はいませんし、どこも大小あれど自身のサービスを良いものに見せるのは当たり前ですので、それに反対はありません。

また他のブロガーさんの全員がそこまで詳細を理解して書いているわけではないでしょうので、そういった書き方をする方がいてもそれは仕方がないとも思います。

 

ですが、自分としてはなかなかある種の批判的な記事にもなりそうですし、

少し大げさな言い方をすれば「種明かし」的な側面もあって、

今まではちゃんと書くことが出来なかった話ながら、

今回は年始の特別記事ということで、ある程度、真面目に記事化をしてみました。

 

日頃から読んでいただいている方への感謝及び、

最近、検索で新規に訪れていただく機会がかなり増えているので、

そういった方へ多少なりともちゃんとした情報を提供したく記事としましたので、

かなり長い記事になってしまいましたが、

お時間のあります時に、読んでいただければ嬉しく思います。

 

今回はスキーム全般についての考察記事ですので、

事業者紹介、広告は抜いておきます。

以上、「不動産クラファン、利回りが低いこともリスク?」の考察記事でした。

 

---------------------------

にほんブログ村 株ブログ ソーシャルレンディングへ
にほんブログ村 PVアクセスランキング にほんブログ村