不動産クラウドファンディング界の風雲児、COZUCHIから新規案件が来ました!
今回は不動産クラファン業界でもかなり珍しい底地のプロジェクトとのことです。
一般に底地は上級投資家向けの商品というイメージもありますし、
平たく言えば手堅いものの利回りはそう高くないという印象もあるので、
そのあたり、COZUCHIマジックにかかると、利回り以外の商品性のユニークさなども含めて、どんな商品になるのかなーと気になりますね。
少しずつ記事を書きながら、中身を見ていこうと思いますので、
どうぞ今回もお付き合いいただければと思います。
まず、表面的な数字で見ると、インカム3.5%+キャピタル1%の4.5%ということで、
底地案件としては結構利回り高めだなという印象を持ちました。
-------------------------
早速、概要を見てみます。
案件名:渋谷区広尾 底地プロジェクト 【インカムゲイン重視型】インカムゲイン3.5%+キャピタルゲイン1.0%
募集金額:3億2000万円
目標利回り:4.5%
運用期間:12ヶ月
募集開始:12/2 19時~12/14 13時まで(抽選式)
1号事業者:株式会社TRIAD
2号事業者:LAETOLI株式会社
前述の通り、利回りは4.5%ということで、
底地案件として考えてみると高めの利回りです。
募集金額はまずまず多く3億超え、
運用期間は12ヶ月ということでこちらは普遍的です。
まず、今回案件のキーポイントである【底地】という言葉。
これが何を意味しているのかについては、自分なりに前回記事で書きましたので、
よろしければ、合わせて下記の記事もご覧いただければと思います。
こちらの記事でも一応、抜粋して書いてみます。
「底地」=「土地と建物の権利者が違っている場合の土地側の部分」
土地は底地権という言葉で表され、建物は借地権という言葉で表される。
一般にこの底地権を持っていることが多いのは、
【古くからの地主】【神社仏閣】【自治体】あたり。
(素人の印象です。底地専門のリートとかもありますよね。
私はリートは買ってないので全く詳しくないですが。)
底地は土地が壊れるということが基本的にない以上、リスクは低い。
ただし、権利者としての権利が制約されがちというデメリットもある。
また、反対に借地の所有者も権利は制限されている。
そのため、底地も借地も一体となった所有権よりも価値の低い権利。
概要を書くとこんな感じですね。
-------------------------------
次は住所、アクセスについて見てみます。
住所
東京都渋谷区広尾五丁目(正確な住所は非公開となっています)
今回も正確な住所は非公開ということで、広尾五丁目とだけ記載されています。
ただし、目立つ建物が綺麗な画像で物件情報として掲載されていますので、
どの物件かを地図などを活用して掴むことは容易ですね。
私自身もどこの物件かは分かりました。
正直、広尾駅周辺は【お高いゾーン】ということもあって、
降りたことくらいはあれど、あまり個人的には土地勘がないあたりです。
公示地価で見るとやや離れたところですが、同じ5丁目で1平米あたり187万。
まあ、かなりの一等地ですね。
それでいてゴミゴミしていない高級住宅街という雰囲気もあって、
まー、庶民には縁遠い土地だなーとも思います。
強いて言えば、もう一つ最寄り駅として記載されている、
恵比寿駅の広尾側(東口)に関しては、カフェでアルバイトをしていた時にちょこちょこヘルプで行っていたので、
15年とか前の話ですが、多少は道も分かるかなーって感じです。
恵比寿駅は南口側のお店の方が頻繁にヘルプで行っていたのですが、
(割とボロいお店でしたけど、某有名な俳優さんなんかが来たこともありました。今でも結構売れてる方です。スラっとしてて格好良かったですけどシャイな雰囲気でした。女子ははしゃいでました笑。)
東側の方がやっぱり広尾寄りだからなのか、全体的に雰囲気はお洒落でしたね。
南口とか他の口はもうちょっとワチャワチャしてる感じなんですけど、
東は洗練された感じを当時も何となく感じていました。
でも、そこから広尾駅の方まで歩いたりってことは、1回くらい散歩した記憶がある程度であまり印象にないので、やっぱり土地勘は薄いなーという気持ちもあります。
土地勘がないっていう説明に長々費やす無駄な文章でした・・・(苦笑)
アクセス
東京メトロ日比谷線「広尾」駅 徒歩6分
JR山手線、(JR埼京線、東京メトロ日比谷線)「恵比寿」駅 徒歩15分
広尾駅周辺は言わずと知れた高級住宅街ですが、
意外とアクセスという意味ではそれほど便利なわけでもないんですよね。
日比谷線の広尾駅は他の路線の駅から離れていて、乗り換え先のある駅でもなければ、
「乗り換え扱いではないものの徒歩圏の駅が別にある」という駅でもないですしね。
都内の高級住宅街は、意外と逆に駅が近くにないことも一つのステータスみたいなところがありますから、そういう意味で、利便性が悪いというわけではないにせよ、
電車通勤においての利便性は都内一等地の中では取り立てて物凄く高いというわけでもないかなというところですね。
一方で広尾駅ではなく恵比寿駅まで歩くとすれば、山手線を筆頭に、
(COZUCHIのHPには記載がないものの)
JR埼京線や湘南新宿ライン、また日比谷線(を使うなら広尾駅で良いわけでしょうけれど)も利用可能となるので、利便性については考え方次第という感じもありますね。
私は多少徒歩が長くなっても乗り換えが1回減るならアリと考えるタイプなので、
そういう意味では、恵比寿駅まで歩く人もいるっちゃいそうだなとも思いました。
----------------------------
さて、今回のプロジェクトはなかなか面白い案件です。
何が面白いのかというところをざっくり書くと、
「底地を入手し、上物として建っているマンションの所有者が売却を希望してきたら、
他社に売らせず積極的に自社で建物部分を買い取って、最終的にはすべてを普通の所有権化して、開発用地として転売する!」
そしてその最終的な部分までの到達は【10年を目標とする】ということだそうです。
なので、今回案件はその途中経過部分の案件という形になります。
10年を目標とする大規模プロジェクトの足掛かり的な案件。面白いなーと。
普通、底地を積極的に欲しがる投資家というのは、
あくまで上物のリスクを負いたくないからこそ底地に興味を持つんですよね。
そして逆に上物を積極的に欲しがる投資家というのは、
底地がないため、建物のみの収益性で利回りを高められると考えて借地に興味を持つ。
なので、底地と借地と権利が2つに分かれていると、
流動性が落ちることにはなるんでしょうけども、
この2つを積極的に1つにしていこうという考えって、あるといえばあるのかもしれませんが、普通はあっても「地主」と「借主」の間の権利を交換するとか、「地主」の相続対策で「借主」へ売却するとかで試みられることが大半だと思うんですよね。
(底地は取引相場が非常に安いのに対して、相続税の計算割合においては後述の借地権割合の反対の数字となるため、売った方が相続上有利になることが多いということもあり、相続の際に、上物の所有者に買い取ってもらうことを試みることが多いという話は聞いたことがあります。)
それからすると、今回のTRIAD社のように底地を不動産会社が持っていて、
更にその不動産会社が底地を手堅く運用、売却するというのでもなく、
意欲的に上物をちょこちょこ買い取って、
最終的には一般的な所有権の一棟マンション化を狙う。
そして一棟マンション化されると、立地も非常に良く一体となった所有権になっている大規模な用地になるため、
やや古めかしいマンションであっても、開発用地としての扱いで高値で買い取ってくれる事業者が出てくれるはずなのでキャピタルゲインが大幅に見込める!
いやー、なんていうか、すごく面白いプロジェクトですし、
これぞクラウドファンディング!って感じですよね。
とあるブロガーさんの記事で、COZUCHIの武藤社長がクラウドファンディングを、
「スイミー」に例えていたということを読んだのですが(勝手に出してすみません笑)
まさしく、こういうのってその例えに近いよなーと。
小3くらいだったかの時に、学年全体(?)でスイミーを朗読して、
みんなでスイミーになりきるみたいな感じで、並んで模様を作って、
最後に、本田路津子さんの「一人の手」(ひとりの小さな手~♪みたいな曲です)
を全員で合唱する。みたいなのをやったことがあるんですけど、
クラファン投資をする時に、いつもこの光景を思い出すんですよね。
一人の力だと大きなものは動かせないけど、みんなの力を合わせると大きな力となる。
みたいな。
(ところで、スイミーと一人の手をくっつけて発表させたというアイディアはどの先生の案か分からないですが今更ながらすごいなーと。確かに言いたい内容は一緒だよなと。)
今回で言えば、底地を安く仕入れる。
ここまでだったら市況によってですけど、銀行との取引で何とかなる部分ですよね。
でも、その後のちょこちょこ買い取って、一棟マンション化して、
更にそれをディベロッパーなどに転売する。
ここまで行くと話が特異ですし、多額の資金がいるので、
銀行とだけだと難しい話ですから、COZUCHI(というかTRIAD)の企画力を信じる小口投資家の力があって初めて成り立つプロジェクトになりますよね。
ほんと、純粋に面白いなーと思いました。
----------------------------
次は普段ですと、土地の価値などが募集金額に対して妥当なのかを念のため見るパターンに入るところですが、
これについては前回記事で既に書きましたので、
再度、リンクを貼っておきます。ご確認くださればと思います。
一応、ざっくりと計算した計算結果だけ書いておくと、
(画像も1つ引用で使わせていただきました。参考資料として合わせてご覧ください。)
路線価ベースで1平米あたり214万くらい、物件が653平米ということで、
214万×653平米=14億
仮に今回物件のところが公示地価だとしたら、この数字は18.5億くらいのイメージ。
ですので、保守的に見て、今回物件の土地代は14~18.5億くらい。
そして今回は底地のみが権利なので、借地権割合が70%である当該立地では、
底地権割合は30%となるため、路線価ベースで14億×0.3=4.2億となる。
今回の劣後出資を合わせた募集総額は3億5000万円ですので、
つまり、取引価格は保守的に見た数字より更に下ということがこれで分かります。
ちなみに実際の価格(実勢価格)はこうした一等地だと現況、路線価の倍か、
下手すると公示地価の倍以上というパターンもありえるということも鑑みると、
実勢価格の3割程度での入手とも言え、破格だ。
こんな結論になるという感じですね。
正直、私も素人ながら不動産クラファン案件は色々見ていますが、路線価を下回る募集価格がついている案件って、まあ、まず見ないので、すごいなとそこは感じました。
-------------------------------------
そろそろいい加減、スキームについての話などを書いてみたいと思います。
まず、今回案件の利回りは3つの要素で構成されています。
1:借地権者から入ってくる地代(インカムゲイン)
2:借地権者が建物(区分)を売却する際に支払われる譲渡承諾料(インカムゲイン)
3:旧借地部分の区分をTRIAD社が買い取ったことによって、所有権化されている部屋数が増え資産価値が上昇するため、その上昇部分を鑑定士に評価してもらい、その結果を踏まえてTRIAD社による利払いが償還時に行われる。(キャピタルゲイン)
1は分かりやすい部分ですね。
家賃なんかと同じように、土地を借りていることへの月々の支払です。
2は少しややこしいですが、借地の場合、土地の所有者に対して上物の権利者を変えたいのでよろしくお願いします。という代金を払う必要があるので、
これがインカムゲインの利回りの中に入っています。
これがほとんど生じない戸建ての借地なんかだと、
ほんと収益性低いよなーと改めて思いますね。
で、キモとなる3の部分はある意味ではソーシャルレンディング的というか、
TRIAD社から投資家へ疑似的に金利のような形で償還時に払われるものですね。
とはいえ、何の根拠もなくキャピタル配当するのはおかしいですから、名目が必要。
(厳密にはなくたって良いのかもしれませんが、あった方がより良いですよね。)
その名目とは何ぞやというと、説明力があまりないですが、
底地+借地だったものが買い取ったことによって所有権になると、不動産の価値は上昇するので、その買い取れた分の価値上昇という実際に生じているプラス要因を不動産評価に盛り込むことでプラスのキャピタル配当を払うという感じです。
そしてここからがちょっとややこしいというか注意が必要な部分ですが、
【TRIAD社が借地だった区分マンションを買い取ってしまうと、買い取った以上、譲渡承諾という形にはならないので譲渡承諾料はもらえない】ということになります。
つまり、10年目標という大きな部分でのプロジェクトやキャピタルゲインの側から見ると買い取れていることはプラスになるわけですが、
短期的にインカムゲインの部分で見ると、もらえない以上はマイナスとなってしまう。
逆に短期的には譲渡承諾料がもらえた方がインカムの利回りが高くなりお得だが、
それだと一向に最終プロジェクトにはたどり着かない。
というわけで、ぶっちゃけ案件自体に矛盾が生じている内容ということなんですよね。
ちょっと矛盾とまで言うと言い方にトゲがあるかもしれませんが、
まあ、でも、正直に言えばそういうことだと思います。
では、その矛盾をどうするかというと【マスターリース】にするということで、
ある程度スッキリと解消されています。
マスターリースにすることで、地代や譲渡承諾料が多少マイナス方面に変動しても、
利回りに悪影響を及ぼさないように出来るということですね。
逆の言い方をすればマスターリースがあることにより、譲渡承諾料が多くもらえたりなどして、本来高い利回りが出せるとしても、そこはTRIADの関連会社のマージン部分になるので投資家には入ってこないということになります。
ただ、最初から高い利回りを謳いながらインカム部分が変動するというのは、
あまり投資家にとって嬉しくないというか分かりづらい話になりますし、
それであれば、底地というリスクの低いアセットの運用をマスターリースにして3.5%でしてくれると考えた方が精神的にも安定するというか、健康的な案件かなと。
しかも、前述したようなスキームの中で更にキャピタルで1%分配するので、
都合、利回りは4.5%となるわけですからね。
リスクの低いタイプの案件でこの利回りはなかなか良いなと思います。
(ただし、事業者リスクに関してはアセットがどうであれ同じとも言えるので、
そのあたり、COZUCHIというサービスや1号事業者であるTRIAD社をどう捉えているかで、考え方は変わるとも言えるかもしれません)
尚、底地案件ということでリスクの低いタイプの案件であることもあり、
長期投資を望まれる方もいそうという判断なのか、
初回の今回案件に投資しておくと今回案件が償還した後の2回目案件における
優先出資権を付与してくれるということだそうです。
長期投資を前提としつつも、場合によって自分のタイミングで投資をやめる判断も残しておきたいというタイプの方には、嬉しい措置ですよね。
また、これは今回案件とは直接の関係性ではありませんが、
【所有権に出来た区分マンションはファンドとして別に組成する可能性有】
ということも書いてあります。
これは安く買った底地+安く元の所有者から買えた建物で、普通に区分マンションを運営するわけですから、【利回りは高くなりそう】ですよね。
(譲渡承諾料を払わないで済む分、少しディスカウントした価格でも売り手にメリットがあるため、買取は進みやすいという考え方に基づいています。)
しかも、基本的には全室、3棟丸々所有権になるまでは、
地道にTRIADが保有し続けるようなイメージでいる以上、
その区分マンション案件がいきなり毀損になる可能性は低そうですしね。
もしかしたらドル箱案件になるかもしれないポテンシャルだなとも思います。
ということで、今回はそういった夢の大きなプロジェクトの土台(まさしく底地?)
を支える基礎的なプロジェクトの案件という感じですね。
-------------------------
一応、ポイントもまとめてみます。
1.都内一等地の広尾における底地案件でリスクが低い!利回りもある程度は高め
2.取得予定価格が最も保守的な路線価よりディスカウントされており破格
3.底地のままではなく上物の区分とセットにして所有権にすることを目指すため、途中経過的な評価をすることで価値上昇分をTRIADがキャピタル配当する予定あり
4.マスターリースを結んでいるため、インカムの利回りは確保されている
5.リスクの低い底地案件で長期投資向きのため、出資すると次回の類似案件への優先出資権の付与がある
6.今回案件に協力することで最終的な大きなキャピタルゲインを得るためのお手伝いに繋がる
こんな感じですね。
今回案件の良さとしてはやはり立地の良さ、リスクの低さに対して利回りがある程度高めでミドルリターンなところでしょうか。
なかなかユニークですけど、投資家の欲しいツボを押さえていて、
尚且つ、COZUCHIのモットーである「負けない仕入れ」というのも出来ている、
良い案件ということは言えそうです。
ただ、強いて言えば利回りが低くなった分、案件のリスクも下がっている反面、
事業者リスク的な部分は案件ごとの変動があるわけではないですし、
今回案件は壮大なプロジェクトの出だしというよりは、
更にその前段階のお手伝い的な側面もある案件ですので、
そのあたりをどう投資判断するかがカギとはなりそうですね。
尚、COZUCHIはWARASHIBE時代とは違い、eKYC(スマートフォンを使った形)での会員登録が可能になっていますので、募集開始は2日からと迫っていますが、
募集期間も長く14日まで取られているため、既存投資家の方はもちろん、
未登録の方でも焦らず投資検討、登録検討が出来るかなと思います。
ご興味の出た方は投資・登録をご検討されてはいかがでしょうか。
また、当ブログを含む一部メディアからの新規登録ですと、
Amazonギフト券 2000円分プレゼント!がありますので、お得な形で登録が出来ます。
当ブログで良いと考えていただける場合は下部のリンクよりご登録をお願い致します。
以上、自分なりに新規案件についてご紹介してみました。
---------------------------
COZUCHI、今回案件にご興味の出た方は下記リンクよりHPをご確認ください。