高い利回りかつ地方創生を目的とする不動産クラファンサービス、BATSUNAGU。
私も新規会員登録してみましたので、自分なりに読み解いていきたいと思います。
まず、先に大事なところなので、記載しておきますが、
上記の固定記事にも掲載している通り、小規模不特法業者は、
普通の不特法業者とは厳密には制度が違います。
一例を挙げると、資本金が普通の不特法業者では1億円要るところ、
小規模の場合は1000万でOKだったり、
普通の不特法業者は許可をもらっての事業に対して、小規模は登録をすれば事業が出来るということで、事業を始めるための前段階での手続きの大変さも違います。
BATSUNAGUを運営するリムズ・キャピタルは資本金が5000万円で、小規模の方です。
ですので、その部分において、事業者の信頼度は多少違うということは言えます。
ただし、資本金が1000万あれば良いところ、5000万円を用意しているというのは、
「それだけ資金力があり、信頼度が劣らないということを示している」
ということでもあるはずですので、私個人としては5000万まで資本金を用意している上、その他の本業もHPで開示されていることもあり、
基本的には問題ない事業者さんだろうなと考えています。
現在募集している案件は【新潟県妙高市のペンションの再生】という案件。
正直、都心や郊外、地方都市などという今までの不動産クラウドファンディングの枠組みの案件とは全く違うタイプの案件ですので、
なかなかジャッジが難しい案件だなという印象は持ちます。
私自身も小規模の事業者さんかつ、こういったリゾート(と言ってもとても華やかな立地というわけでもない)案件なので、
案件ページを見ただけでは良い悪いの判断はつかないなとの思いで、
記事を掲載するのは、自分が会員登録を完了して、成立前書面を見て、納得が出来てからにしようと考え、ちょっと今回は時間をかけて記事を書くことにしました。
本当は新規事業者の紹介というのはスピード感が大事なのかもしれませんが、
(そうこうしている内にたくさんのブロガーさんが既にご紹介されていますね)
今までの事業者さんとは少し分野が違うので、私はあくまで愛好家が考察するという形のブログをやっていることもあり、今回はスピードについては犠牲にしました。
尚、事業者さん及びBATSUNAGUを知った際にちらっと書いた記事があります。
こちらもお時間のある方は参考程度にお読みいただければ嬉しく思います。
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さて、案件の概要について、いつも通りの形式で見てみます。
案件名:斑尾高原 ペンション再生ファンド
募集金額:5000万円(劣後出資を含めた総額が7000万円)
利回り:7%
運用期間:12ヶ月
募集開始:8/18 9時~9/15 一杯まで(先着式)
投資可能額:1人1万円~100万円(最低1口1万円、100万の縛りは小規模事業の制度による)
成立下限額:1万円
※出資者の優先出資が下限額以上、募集額未満であった場合は、劣後出資者が劣後出資を5000万(+2000万円)に満つるまで増額予定
結構な大事なところがありますね。
【優先出資が足りなかったら、劣後出資比率が上がる】という部分です。
どこまでそれを大がかりに書いていいのかは分かりませんが、
投資家にとって有利な情報なのであえて今回は書面から掲載させてもらいました。
初めて案件ページを見た時に「成立額1万円!?何かの間違いか!?」と思いました。
が、上記の通り、趣向としては「投資家に参加してもらいたい。けど、満額無理なら無理で自社で出来ますよ」ということです。
これは、小規模だ何だという話でなく、安心感がありますよね。
投資家資金が入ることで利払いはきつくなるものの、
事業にレバレッジがかかって、資金が流動化出来るというメリットはある。
けれど、そこに事業を頼るということではなくて、
あくまで自社資金で物件を買って、自社資金でバリューアップして、それを自社責任で売却することが出来るということなので、
そういう事業者であれば安心して投資家も参加出来るのではないかなと思います。
特に今回のような地方創生的な案件は、物件の価値や土地の価値が「時価」みたいなところもありますので、
仮に利回りが高いとしても出口部分が危ういことになる可能性はある程度あります。
その部分は、このコロナ禍等もあって、さすがに都内近郊のレジ案件などよりは難しさがあるかとは思うものの、
自社資金(借入なし)で当該物件を仕入れ済で、投資家資金が集まらなくても自社資金でプロジェクトを完遂出来る見通しというのは非常に好印象を持ちましたね。
ところで、少し話は余談になりますが、【私は旅行が嫌いです】という(笑)
基本的にリゾートとかそういうものが苦手だったりします。
極論ですけど、慣れた自宅でずっとゴロゴロしてる方が快適と思ってしまう方。
何なら高級な気持ちの良いベッドでずっとゴロゴロするならそれはそれで良いなーとか思ってしまう方ともいえるかもしれません。
(ただし美味しいご飯を食べるのは大好きなので、旅行先の食べ物は楽しみたいですが)
なので、こういっちゃなんですが、私自身に関しては、
地方創生的な案件には本質的には強い興味は持てていません。
ただし、逆に言えばだからこそ案件に惚れる的な視点はなく、案件を見ているというのは言えることなので、その点においてはある程度フラットな意見として書いているということで信じていただけたらと思います。
まー、大体、私の苦手なことってのはほとんど父親に起因するんですけどね(笑)
小さい頃から折り合いの悪かった親子。すぐにキレる我が亡き父。
旅行とかに行くと、車好きの父は大体車で出かけようとするので、すると密室の中で必ずしょーもない家族喧嘩が誰かと起こる。逃げ道がない。うんざりした気分になる。
そして旅行やらキャンプやらで意見が隔たるとこれまた喧嘩。あーやだやだ。
まあ、こういうせいかもしれません(笑)
家でのんびりしていれば、そう喧嘩にならないわけですしね。
せめて自分の子どもにはそういう思いをさせないように生きていきたいですね。
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っと雑談はこれくらいにして、案件の詳細をそのまま見ていきます。
案件ページがなんか文字のフォントがやたら大きかったりして、手作り感が半端ないので、ちょっと見づらいですが、物件の活用方法としては下記になります。
「再生案としては、 スキーブームの際に建設し、長年経営を継続されてきた日本型ペンションを長期滞在型のサービスアパートメント施設に改修。」
これは確かにアリだよなと何となく思いました。
既存の日本型ペンション・・・私はアットホームな感じで好きですけど、
どうしても外国の方などを相手にするにあたっては食文化の問題、言語の問題なんかも出てきますし、外国の富裕層を相手にするのであれば、安い感じのペンションに連泊するよりは、スキーなどのレジャーを兼ねての長期滞在となることもあって、
高級感を保ちながらも、入居者の自主性も保てるサービスアパートメントに住まうというのが合うはずですので、こうした施設に改修するという案はなるほどと思いました。
斑尾高原は雪質が非常によく、BATSUNAGUの説明によると「雪質のポテンシャルは同クラスですが、ニセコや白馬などに比べて不動産はまだ割安」
というところが外国人にとっては魅力を感じる点だそうです。
全くリゾートに疎い私でも、ニセコと白馬は分かります。
(主にこういう土地は桃太郎電鉄で覚えたのですが笑)
そういった知名度の高い立地からすると、まだ名前が売れておらず安価な土地のため、
インバウンド向けの資本家も興味を示しているのが、この地域ということですね。
尚、ということで、案件こそ「ペンション再生」というタイトルになっていますが、
実際はペンションを改修して別の用途に使うという案件です。
では、その改修作業を進めていくにあたって、どのような形を採るかというところですが、これまた案件ページが手作り感が強くてちょっと見づらいながら読み解いていくと、(ちょっと勿体ないですよね。読み解くと割と良い条件なのが分かるのですが)
【株式会社LCフィールドパートナーズ】が一括で借り上げるという形です。
つまり、クラファン愛好家にはお馴染みのスキームである、
【マスターリース】があり、賃料が固定ということがあります。
このLCフィールドパートナーズはBATSUNAGUを運営するリムズ・キャピタルと同じ磯部社長が代表を務める会社であり、事実上、事業者がマスターリースとして借り上げるということですね。
なので、ざっくり言うと【事業者は投資家資金が足りなくても事業を完遂出来る】【事業者の系列企業が借り上げる】 ということで、投資家はリムズ・キャピタルさんの事業計画や「思い」的なことについていくだけということになりますね。
マスターリースがない場合は、ちゃんと物件が埋まるのかということも考えねばなりませんし、逆に投資家資金が集まらないと案件が成立しない【ファンド型】であれば、集まり具合などを見ながら案件が成立するかなども気にしないといけないですが、
(ファンド型という表現は他ブロガーさんの言い方を借りました。
これは投資家資金をもって物件を購入しそれを匿名組合で運用する形という意味合いの表現です。)
今回の場合、投資家資金の集まり方がどうであれ事業が進んでいく上、事業者(の系列会社)で改修も進める形なので、投資家としては難しく考えず、利回り7%を確実に得られるという条件です。
逆に事業者としては自社資金だけでこのプロジェクトを完遂することは出来るとはいえ、投資家資金を足すことによって、投資家へ利回りを払う代わりに自社資金を使う部分が減り、事業者としての今後の発展が見込めたり、諸々の部分で手数料収入を得られたりというメリットはありますね。
こういう地方創生的なプロジェクトは多くの人に興味を持ってもらって、それこそ利用者になってもらったり、応援してもらうことも目的の一つになるでしょうから、
そういう意味でも、事業者としては投資家を集めることの意義は大きいですね。
自社で完遂出来るにも関わらず投資家を募集するということは、投資家にとって基本的に有利な条件ですので、
という観点で言えば「良い案件」というのは間違いなく言えるかなと思います。
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長くなってきましたので、案件のポイントについて、まとめとして挙げてみます。
まずは良い部分について書いてみます。
1:利回りが7%と高い!
2:投資家資金が少なくともプロジェクトの成立が確定している
3:優先出資者の資金が不足している分は、事業者が【劣後出資】で補う!
4:マスターリースにより利回りが確定している
5:劣後出資が最小(優先出資が満額集まった場合)でも28.6%ある
6:投資家と事業者の利回りが大きく変わらずフェアな案件
こんな感じです。結構良い条件が多いですね。
こういう案件が続くのであれば、地方創生という部分のリスクを勘案したとしても、
魅力があるなーと思います。
ただし、案件や事業者的に気を付ける部分もいくつかありますので、
これも挙げてはおきます。
1:事業者が小規模事業者のためやや事業者リスクは高い
ただし資本金は5000万確保しており、系列企業もいくつかあるため、普通の不特法の小さい企業と事業者リスクは同じ程度と考えてもいいかもしれません。
また、リムズ・キャピタルの社長である磯部昌史氏はつい最近、ホッカイドウ競馬と中央競馬で所有馬を新たに走らせたりもしているので、【羽振りは良さそう】とも思います。初回案件も北海道案件でしたし、北海道とは縁が深いのかもしれませんね。
まあ、馬主云々が良いこと悪いことというのは分かりませんが、経営状況が悪ければそういった事は出来ないでしょうから、経営は現時点では問題ないのかなとは思います。
(仮に急に高い馬に手出しをしたり散財している印象があったらお伝えします笑)
2:出口戦略は少し不透明
基本的にはバリューアップして、国内外の投資家に売却するというシナリオです。
特に外国人富裕層に好まれるような形の施設にするということは、インバウンド需要を当てにした外国人投資家への売却などをイメージしているわけですから、どうしてもこのコロナ禍の問題がついて回りますね。
地方かつスキーなどの屋外レジャーに付随する形の施設ですので、必ずしもリスクが高く敬遠されやすいということもないでしょうけれど、現状は未来が不透明なので、事業の確実性はレジ案件などに比べるとやや劣るかもしれません。
ただ、系列会社のマスターリースが2年間となっているため、案件こそ1年の案件ですが、もう1年新規募集としてプロジェクトの途中からの形での募集もあるかもしれませんので、最初の1年は「初物」としてコケないように運用するとも考えられるでしょうし、数々のメリット部分と天秤にかけた時にはアリとも考えられるかなと思います。
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地方創生、土地や建物に高い価値があるとは言えない案件と、
他の事業者の案件とは雰囲気が違う案件なので、注意すべき点は多いですが、
利回りの高さ、マスターリースと劣後出資でのリスク軽減、成立下限額が1万円と実質ない状態であり事業者単独でもプロジェクトを遂行出来る形など、
投資家にとって魅力に思う部分をいくつも作れていますので、
まだ新興事業者であり、コケないように運営したいと事業会社も考えているだろうということも含めれば、魅力的な案件かなとは思います。
地方創生、斑尾高原などの冬季のリゾート地にご興味がある方、
利回りとリスクのバランスをプラスに取れた方は、
HPをご確認の上、登録をご検討いただけたらと思います。
私自身も書いてみて結構良いと思いましたので、
資金調整をして投資出来ればと思っています。
まだ埋まり具合もそこまでではなく募集終了日まで日もありますので、
じっくりご検討されるのも良いかもしれません。
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BATSUNAGUにご興味の出た方はHPをご覧ください。(リンク)