不動産クラウドファンディング界の安定勢力かつ、
インカム系の手堅い事業者としても名高い、
FUNDROPより過去最大額の案件が来ましたね!
年初にお年玉企画として出てきた八王子案件の再組成ということで、
既に償還を一度している物件が対象であり、安定感のある運用に期待出来ます。
私の志向とは必ずしもイコールではありませんが、
FUNDROPの案件は、これまで必ずインカム型で組成されており、
キャピタルロスが生じる可能性のある郊外物件であっても、
自社が同額で買い取ることで、
早期償還もなく完璧なインカム型として運用されています。
また大きく公にはされていませんが、
他多くの事業者と違い、インカムとキャピタルが分離された形の配分となっており、
キャピタルでマイナスが生じた場合には、インカムのリターンを食わず、
まず劣後出資者がマイナスを負担するスキームになっているため、
より【インカム型らしい】運用形態となっています。
いわゆるインカム型と呼ばれる、呼んでいる事業者でも、
インカムとキャピタルがセットで計算される事業者の場合は、
出口での損失(キャピタルロス)をインカム利益と相殺されてしまうスキームのため、
厳密にはインカム&キャピタル型にはなりますが、
FUNDROPはより本当のインカム型と呼べる事業者では?と思います。
字面以上の安定感があるのがFUNDROPの特徴でもありますので、
そのあたりを踏まえながら投資のご検討をされていただければと思います。
次の項からはいつも通り、案件について色々と見てみます。
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まずは概要です。
案件名:FUNDROP 9号「東京都八王子市」賃料保証×再組成
募集金額:9840万円
目標利回り:6%
運用期間:12ヶ月
募集開始:7/8 12時~7/20一杯まで(先着式)
前回の同物件でも仮段階では9840万円と出ていたので、
いわゆる評価額(募集総額)は変えていないということのようですね。
その時は、仮段階で9840万の劣後2割だったものの、
募集直前で8610万の劣後3割となりました。
つまり、表面的には【数字は下がった】ということになりますね。
ただ、これには2つの考え方があり、
1つはストレートに【利回りが上で劣後も上だったんだから前回が良すぎ】
というものです。これは当然の考え方で、もちろん正解です。
が、もう1つこういった場合には捉え方があり、
【投資家にたくさん利回りを提供したら勿体ないから、劣後出資として自社の取り分を増やそう】という事業者の意識が働いた。=【今回の方が「枠」を増やすことで投資家により収益を分けている】
ということも事業者の立場を踏まえると言えたりはします。
無論、劣後出資が薄くなっているため、万が一の場合のリスクは上がっているので、
前回のお年玉企画の方がお得だったのは間違いないでしょう。
ただ、事業者側から考えると、例えば優先出資を1割、劣後出資を9割とかで、
1割の人にだけ利回りを15%とか払うより、
(1割など限定的にすればえこひいきし放題の利回りを付けることが出来ます)
優先出資を9割、劣後出資を1割とかで利回り8%を払う方が、支払的には辛いわけですから、募集金額を大きくしたということは、
ある意味では投資家に出資のチャンスをより多く提供したわけで、
これはこれで事業者としては大変と言えば大変とも考えられます。
少し話が横道にそれますが、私が意外とキャピタル型案件の方が好きなのは、
そのあたりにもありまして、
【キャピタルを出すためには、タイムリーに安く物件を仕入れて、さっさと売らないといけない】⇒【銀行への利払いよりも、投資家利回りが高く付くとしても、タイムリーに資金を提供してくれるメリットがあるのでクラファン投資家を大事にしたい気持ちになる】という風に、事業者も投資家もWin Winというのが分かりやすいのに対して、
インカム型の場合は、【こんなに良い物件なら、自社で全額持ってれば良いのでは?】
みたいなイメージがどうしても多少残ってしまうんですよね。
もちろん、一旦投資家にリスク転嫁しつつ、資金を集めることで、短期的に支払いが大きくなるとしても、次の有望な物件の手付や仕入れがしやすくなるというのは、
インカム型事業者であっても同じでしょうから、そこに疑問はないのですが、
(ただし上場系などの名簿集め、フックツール的な事業者はまた別です)
【早期償還すら全然ない】となると、投資家から資金を集めるのは非効率では?
みたいな気持ちもチラッと持ちます。
(投資家にとっては逆に言えば効率の良い運用になるため、お得な事業者とももちろん言えます)
FUNDROPに関してはいくつもの案件を見る中で、借入なども並行して利用しつつ、事業にレバレッジをかけていながら、一定ラインを保って手堅い形で事業をおこなっているということで、信頼感を大きく感じますし、
投資家との関係を構築することで、いざという時の資金集めの銀行以外の別チャネルとして成長させたいということもあるのかなとも思いますので、
強い違和感とかがあるわけではないですが、「意外と手堅いなー」なんても感じます。
ということで、少し話がそれましたが、ざっくり言うと
データ的には利回りと劣後出資が下がってしまったとは言えるものの、
募集金額を増やすことで【投資家に投資機会を多く提供した】
【極端なクリック合戦にならずに上級者以外も投資しやすい】
というメリットの出たと言える案件かもしれません。
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次は住所、アクセスを書いてみます。
住所
東京都八王子市中野上町2-15-5
アクセス
JR中央線・横浜線「八王子駅」徒歩30分
(「八王子駅」までバスで12分、バス停歩6分)
アクセスとしては川を渡ってやっと駅側に行かれるというような土地なので、
徒歩30分という記載があるように、直接駅まで行くのはやや厳しいという感じですね。
ただ、車での移動ということを考えた場合には、すぐ北側に中央フリーウェイ(古)こと中央自動車道もありますし、南側は甲州街道(国道20号)が走っていて、その間あたり。必ずしも利便性は悪くないんですよね。
電車のことを考えた場合でもバス停まで停歩6分で到着する駅が私鉄の小さい駅などではなく、JR中央線という大動脈の駅であり、しかも、その他にJR横浜線や京王八王子駅もあるというターミナル駅の八王子駅なので、
行き先によっては小さめの私鉄の駅から徒歩10分くらいというのと、
感覚的には大差ない人もいそうではありますね。
FUNDROPさんのHPによるとバス便は深夜も動いているということなので、
一般に思うバス便よりは利便性は高いようです。
多摩地方とか神奈川県はバス便が豊富な地域があるところが、
埼玉県、千葉県とは少し違うあたりかなとも個人的にはこういった案件をいくつも見ていると感じるところです。
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※他の項もそうですが、この項も文章を一部再掲で使い回しています。
次は普段であれば土地代をある程度詳細に調べるのですが、
今回に関しては、土地はそこそこ広いものの、やや辺鄙な地域かつ借地権、
そして収益物件が鉄筋の5階建て1棟マンションで延床も800平米超えということで、
ほとんどが建物の価値ということになりますので、やや省略気味に書いてみます。
物件は約450平米。周辺の公示地価は約10~12万ということで、
まずまず手ごろな郊外という感じの価格帯です。
逆に言えば、ターミナル駅が相手先とはいえ、徒歩30分かかるのに、
公示地価で2桁行くというのはさすが都内という感じかもしれません。
尚、一部地目に原野というのが含まれているようですが、既に建築されて30年を超す築古物件なので、恐らく気にしなくても良いのかなと個人的には思いました。
その他は説明書きの通り、ちゃんと市街化区域ですし、建蔽率60%、容積率200%の準工業地域なので、収益性も十分担保されている感じですしね。
さて、公示地価を11万として見たところ、450平米ですので、4950万が土地代。
借地権割合は6割ということでしたので、2970万。
土地代としてはこれくらいが価値ということになります。
募集総額が1億2300万円にも関わらず土地代が3000万弱しかないのは大丈夫なのか?
と思われるかもしれませんが、この広さの5階建ての収益マンションを建築するのには何億もかかりますから、(既に築30年が経っていますし、個々の物件の詳細も分かりませんので、正確に現時点でどのくらいの価値がある建物かは分かりませんが)
少なくとも1.3億の内、0.3億くらいは土地の価値もあるということが分かっている以上、基本的には大丈夫と考えてしまって良いかなと今回は思いました。
また1990年の建築ということですが、当時の建築水準はバブル期以前や完全にバブル崩壊して以降より高いということがよく言われていますので、
写真で見る限り運営状況も良好のようですし、そういった意味でも程よく価値が下がっているものの、まだ築30年と安心感のある年数の物件であることも勘案すると、
今回案件は投資判断がしやすい案件なのかなとは思いました。
また既に運用・償還実績がある物件ということも勘案すると、
不動産クラウドファンディングの場合は、ソーシャルレンディングとは違い、
所有者が事業者自身であるので再組成ということの意味合いに悪い部分が大きくなく、
むしろ再組成=償還実績有というプラスの実績とも考えられるので、
充分、その点も魅力と言えるでしょう。
(ただし築40年以上などの極端な築古で、5年、10年とおかわりし続けているような場合は、さすがに見えにくい形でリスクが上がっていっているため、注意が必要です)
強いて言えば、土地が郊外かつ借地権、
事業者が非上場系で財務的には上場系に比べれば脆弱ということで、
非常に大きな市況の悪化などにより、銀行との取引が悪化したりした場合には、各種借り入れの返済を迫られ、それでいて原資となる不動産は売れず・・・
という可能性はあるかもしれません。
そういう意味で、財産の過半をこの案件に賭けるなどということは、当然避けておいた方がベターかなとは思いますが、
一般的な多少の市況変化であれば、収益性の悪くないこういった物件を長期的に保有しつつ市況の好転を待てば、事業者さんもどうかならずには済むでしょうし、
そういった際に銀行とはまた違った視点で見ている、私たち投資家の資金が絶えず流入すれば、事業者はむしろ市況悪化によって値下がりした物件の追加購入なども出来るようになるので、問題なくサービスを続けることが出来るかもしれません。
着々と運用・償還実績を積んできて、また早期償還などをせず、インカム系として地道に確かな配当を積み重ねてきているFUNDROPを信頼感の高い事業者と感じる投資家もどんどん増えている状況ですので、
FUNDROPというサービスを行っているONE DROP INVESTMENT社さんがどういった気持ちで不特法の事業(不動産クラウドファンディング)を始められたかは伺っていないので詳しくは分かりませんが、
COZUCHIの皆さんなんかも仰っていた、
投資家との関係構築がある種のリスクヘッジになるという部分は重要視しているのかなーとは個人的に感じますね。
今回案件は特に郊外の安定的な物件を過去最大額で投資家に提供するという案件ですので、投資家との関係を更に構築したいという意志を感じる案件という印象です。
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まとめます。
1.事業者内、過去最大額の案件で投資しやすい案件!?
2.運用・償還実績のある安定的な物件が運用対象
3.劣後出資20%+マスターリース有、
インカムとキャピタル分離型の事業者でリスクが限定的
4.郊外の駅からやや遠い土地を借地権として使っているため基礎的な利回りが高い
5.築30年とやや築古ながら建築水準が高かった頃の物件で管理状況も良好と推測
6.駅まで非徒歩圏だがバス便が豊富かつ最寄り駅がターミナル駅のため利便性良好
7.建蔽率、容積率が郊外の割に準工業地域で高く、収益性が高い土地
こんな感じでしょうか。
利回りが6%とまずまずのため、やや地味な印象も残りますが、
なかなか良い案件だと思います。
また、先着式のため投資家本人の気持ちの高低がそのまま投資結果と出来るというのも個人的には魅力に感じます。
抽選だと投資熱の低い人も当選したり、投資熱が高くとも落選したり部分当選となるのに対して、先着であれば、【その時間に頑張れば投資出来る可能性が高い】わけですから、今回のような、非常に高い水準とまでは言わないものの良案件というタイプの案件には最も適切な募集方法かなと思います。
募集額が大きいため、1,2分で満額ということはないとも思いますので、チャンスがそれなりに多そうなのも時間の制約がある投資家の方にとっては好材料ですね。
尚、今回案件は7月8日の12時からの先着にて募集開始ですが、
FUNDROPではスマートフォンを使ったeKYCでの登録にも対応しているため、
当日の投資参加にはまだ余裕があるかなと思います。
既に登録されている方はもちろん、まだ登録されていない方もご興味が出ましたら、
投資・登録をご検討されてはいかがでしょうか。
以上、FUNDROPの過去最大額案件(八王子再組成案件)についてご紹介しました。
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FUNDROPにご興味の出た方は下記リンクよりHPをご確認ください。
※尚、不動産クラウドファンディングについて紹介する際は、知名度が劣るため、