こんにちは。NNSです。
昨夜も深夜にいそいそブログ記事を書いていました。
今回はちゃんと(?)クラファンネタで書きますので、
普段の雑談派への転びっぷりをどうぞお許しください。
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まず、今回はこの記事を書くにあたって、きっかけをいただいた記事について
(勝手に)紹介してみます。
皆さんご存じ(?)クラウドファンディング投資ブロガーの雄、
小心タロウさんのこちらの記事です。
私は他ブロガーさんについて書くということを普段していませんが、
正直、クラファンについて書いているブログはほとんど網羅していると言っても過言ではないくらい、頻繁に見ています(笑)
実は裏側で密かに交流している方なんかもいたり・・・
あと、最近は某SNSでもウザ絡みしつつ・・・という感じです。
(とはいえ、非常に多くの投資商材を網羅的に紹介しているようなアフィブログは疲れてしまうのであまり中まで読みません。が、クラファン仲間だな!と感じた方のブログはどんなスタンスであれよく読んでいます)
ということで、以前からタロウさんの記事もよく拝見していたのですが、
昨年だったか、まさかの【俺、紹介されてた】ということがあり、
そこからは少し交流もさせていただいています。
私はアフィリエイトブログであれ、そうでない雑談ブログであれ、
クラファン仲間であれば、大なり小なり、どなたのブログも為になることが書いてあると感じて読んでいますので、
そこに何らかの優劣的なことを言うのは非常に難しいですが、
とはいえ、タロウさんのブログは有意な内容が多いというのは、やはり感じますね。
そんなわけで、今回の記事も「へー、そんな案件あるんだ」と思って読みました。
記事の内容をざっくりと書くとこんな話です。
【不動産クラウドファンディングの案件において、借入が金融機関と、ソシャレンの2つあり、ソシャレン部分は無担保での貸付である。
更に投資家の優先出資と、事業者の劣後出資があるので、都合、4つの区分があるが、ソシャレンと不動産クラファンの優先出資は、万が一の際にどちらが優先されるんだろうか?無担保だと順位に違いはあるの??】
これについて当該案件の事業者さんに登録をしておらず、書面が見えないながら、
自分なりに想像したことは、また追って書くとして、
まず、最初にサラッとおさらいをしてみます。
【不動産クラウドファンディングの物件に借入が絡んでいると一口に言っても大まかに言って3パターンある】
こちらについて一応、以前も書いた話ですが、書いてみます。
1.物件を担保として事業者が借入を行っているが、クラファン部分にはなっていない
これはこんなケースです。
NNSビルは5億の価値があります。NNS不動産はNNSビルを担保に大手金融機関から2.5億分のお金を借りており、残りの2.5億分は自己資金で保有しています。(LTV50%)
NNS不動産はクラファン用に、NNSビルの全体の内の1/2部分を匿名組合に提供し、
2億を優先出資、0.5億を劣後出資としました。
↓
このケースは、そもそもビル全体の半分の権利しか匿名組合に提供しておらず、
残りの半分は単なる自己所有(ただし担保とした借入有)となっているだけです。
ですので、
借入の有無や抵当権の有無はクラファン的には全くの無関係ということになります。
ただし、実際はこういった形で案件を組成することはないかなとも思いますね。
というのは、LTVが何パーセントであれ、万が一のことが起こった際に、その物件を金融機関が単独で売買出来るのは変わりない以上、
物件全体に金融機関の息がかかっているのに、半分はいわば重複した形で匿名組合にも権利を売っているのは問題がありそうです。
【ビルの半分は投資家と無関係な分だから、こっちの権利でオーバーローンとしてもっとたくさん借りちゃえば良いじゃん】
みたいなノリで借り入れを増やしていけそうですしね。
実際、とあるクラファン事業者さんからちらっと聞いたところ、こういったスキームは当局からNGとされているらしいです。(雑談程度で聞いたのでうろ覚えですが)
というわけで、実際はこういった形の案件はまずないだろうなと思います。
2.物件を担保として事業者が借入を行っており、資金が劣後出資に充当されている
これはたまにあるタイプの案件ですね。
NNSビルは5億の価値があります。NNS不動産はNNSビルを担保に大手金融機関から2.5億分のお金を借りており、残りの2.5億分は自己資金で保有しています。(LTV50%)
NNS不動産はクラファン用に、NNSビル全体を匿名組合に提供し、
2.5億を優先出資、2.5億を劣後出資としました。
↓
このスキームの場合、これをプラスに考えることもマイナスに考えることも出来ます。
プラスに考えるとすれば【劣後出資が厚い!】【借入を匿名組合の勘定ではなく、自己勘定にしているから、借入なのに、劣後出資の扱いで優先出資は守られやすい!】
ということになります。
逆にマイナスに考えるとすれば【劣後出資が厚いって言っても、所詮借り入れたお金だよね。】【劣後厚いって言っても逆にこんなに借り入れてたらその方がこえーよ】【金融機関の担保になっている以上、優先も劣後も関係なく、いざとなれば銀行に持っていかれるからな・・・】
ということになります。
事業者としては幾重にも不利な条件とも感じますね。
ですので、非上場系の事業者がこういった形を組成する傾向にあるかもしれません。
有体に言えば、そこまでスキームに詳しくないビギナー、中級者に劣後が厚いというセールスポイントで高め利回りの商品を売るためにはこういったスキームを組むことが手っ取り早いということは言えるかなと思います。
ただ、実際、事業者にとっても問題さえ起こさなければ、
大きなレバレッジの掛け方にもなるので、メリットはある話で、
案件次第では【むしろ買い】【事実、劣後は厚いんだしね】とも考えられます。
私もこういった案件にあえて出資したことは何度もあります。
理解した上で参加するのであれば、アリかなとは思いますね。
尚、【充当している】というのは私が勝手に言っているだけで、お金には色がありませんから、NNSビルを担保に2.5億を借りて、別のABCビルを買っていて、
劣後出資の2.5億は、また別のXYZビルを担保にしたお金なのかもしれませんが、
まあ、事実上、クラファンで運用するためのビルを担保に入れてお金を借りているのであれば、それは劣後出資用の資金を調達していると考えるのが自然ですよね。
※参考リンク
不動産特定共同事業「ファンド+銀行のニ重レバレッジ」は可能!? 求められる「財産管理」とは – 日本橋くるみ行政書士事務所
石井くるみさんという不特法、不動産クラウドファンディングを事業者が始めるに当たってサポートなどを行っている行政書士さんのブログに、
このあたりの記載がありました。
1は明確に法令に違反していそうですが、2もややグレーな部分はありそうです。
ただ、【劣後出資額を上回る借入金額でなければ一応あり】という風にも、
とある事業者さんからは聞いたことがあるんですよね。
東京都からはあまり推奨はされていないけど・・・
みたいにちらっと耳にしたことがあったような気がします。
3.物件を担保として事業者が借入を行っており、クラファン部分にもなっている
先にちらっと書くと、今回のタロウさんの記事の話はこの3の少し変形バージョンをどう考えるかという話です。
まず、これについてもNNSビルで考えてみます。
NNS不動産は評価額5億のNNSビルを新築しました。
物件を新規に運用するにあたって不動産クラファン(不特法、匿名組合型)の形を採ることにし、大手金融機関から2.5億(25000口)を借入、2億(20000口)を優先出資、0.5億(5000口)を劣後出資としました。
こんな感じになります。
↓
このタイプの案件は、正直に言えば、投資家としてそこまでお得さはない案件です。
事業者はいざという時のリスクを投資家に押し付けられますし、
多くの部分を投資家への利払いよりも低い金利で資金調達も出来ますし、
それでいて、金融機関がLTVとして貸し出してくれる限界以上の金額を他人の資金(優先出資部分)で動かせます。
いわば投資家の出資部分が、疑似的にメザニンローンのように働くということですね。
ですので、事業者としては大きなレバレッジがかけられることになります。
どうせほとんどの投資家は借入が絡んでいるということを重く見ませんし、
優先出資 対 劣後出資の比率でしか座布団の分厚さを意識しない。
つまり、この例えの場合、優先が8割、劣後が2割のように錯覚するけれど、
実際は、借入が5割、優先が4割、劣後が1割ということになり、
1割の下落までは普段通りですが、それ以上の下落があると、表面的に意識しているスピードの倍速で元本が毀損していくということになります。
なので、あまりこういった借入と出資(エクイティ)がミックスされた案件は利回りが高かったり、物件が良かったりしても、お得さはないと考えて良いと思います。
ただ、一つだけ明確なメリットがあり、【金融機関が貸し出すことを決めた案件、物件である】ということが案件の基礎的な信頼度として考えられる。
というところです。
無論、極端なことを言えば、金融機関と事業者が何らかの結託をしている・・・
なんていうことも0ではないでしょうけれど、基本的にはクラファン程度の金額で金融機関がそういった危ない橋を渡るとは考えづらいので、
借入とミックスされている案件は、お墨付き案件だから、
お得さはないけど、数字ほど危険ということもない。
と言えるのかなとも思います。
なので、保守的な金額で参加する分には借入部分がミックスされることで、
事業者ほどではないにせよ、投資家の利回りもレバレッジがかかって大きくなりますので、絶対になしということはないのかなと思いますね。
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と、まあ、ここまでが【一応、初歩的な内容】ということになります。
一度理解してしまうとそれほど難しくないのですが、
最初は私もパニックになってましたね。
それこそ最初はソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディング(不特法)って何が違うんだろう?って最初の1,2ヶ月はずっと悩んでいましたし。
さて、で、ここまでこうして書いてきたのですが、
ふと、もっと単純な言葉が頭に出てきました。
【そもそも、不動産クラファン=不特法=匿名組合】にとって【抵当権が設定されているかどうかは無関係だ】と。
実際的には、万が一会社がどうこうなった時には関係があります。大事な部分です。
でも、普段は、担保に入っているかどうかというのは、正直、無関係なんですよね。
というのは、【事業者に自己資金があるのであれば、物件の価値が大きく毀損しても、その物件を売らずにお金を手当てすることは可能だから】
ということです。
非常に極論の話で書きます。
上場企業系A社は地方都市の一等地の一棟ビルを5億でクラファン運用していました。
ビルは借地権で建てたもので、土地は地主の土地です。
2.5億は建物を担保とした借入、2億は優先出資、0.5億は劣後出資でした。
順調に運用していましたが、他国の威嚇用ミサイルが間違って、そのビルに当たってしまい、大惨事が起こり、ビルの価値はほぼ0になってしまいました。
物件の価値はほぼ0になってしまい、評価額は5億から1億になってしまいました。
事業者は自己所有の物件などにも似たような被害が出ており、
上場企業のため、倒産まではさすがに行きませんが、投資家を救済すべく、自己資金で従前の評価額で買取し直しファンドクローズをする余裕がありません。
ということで、優先劣後は全損になりました。
…という話だとしても、自己資金があれば、担保にしている投資家の元本や自社の劣後出資は毀損させたにせよ、物件を売らなくても(売れなくても)良い話なわけです。
これはつまり、みんな大好きCOZUCHIが、【より高値で当該不動産を売却出来る蓋然性が運用開始から終了の間に高まったことを加味して、自社で買い取ってファンドクローズするけれど、疑似的な金利のように、投資家に自社資金で利回りを払う】
ということの反対バージョンということですね。
別に他社に売らなかったとしても、利回りを付けることは不動産の評価が運用開始時に比べて上がった以上、可能ですし、
逆に極端な例えで書いたように、他社に売らない、売れなかったとしても、
評価額が著しく下がる事象が物件にあったのなら、元本は毀損させても大丈夫。
ということになるのかなと。
(このあたりは約款や、運用開始時のルール的なことによって、違うかもしれません。ただ、不動産の評価の上下でクローズ時の収支が変わることが、本来、不特法のスキームの根幹である以上、こういったことは可能かなと私は思います)
とすると、つまり、【物件が担保に入っているかどうかは不動産クラウドファンディング=不特法≒匿名組合≒投資家】にとっては、正直、無関係。
とも言えるのかなーと感じました。
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話を戻して、タロウさんが取り上げた案件は、
タスキファンドというサービスの案件の話で、
不動産の評価額(総額)が4億円に対して、
大手金融機関(レンダー)が2億円(2000口)分を貸し付け
ノンバンク(FUNDS、実質的にソシャレン投資家)が5000万円(500口)を貸し付け
投資家の優先出資が5000万円(500口)
事業者の劣後出資が1億円(1000口)
という4層構造になっているということだそうです。
つまり、1,2,3で解説した話の中では、3のタイプということですね。
レンダーは当然ながら、当該物件を担保として差し入れてもらっての貸付。
ただし、FUNDS部分は、ユニークなことにただの無担保無保証とのこと。
この場合、万が一、物件の評価が下がった時には、
無担保無保証であるFUNDS部分と、
不動産クラファンの投資家はどちらが先に毀損していくのか?
ということが、今回の疑問符がついた部分です。
こういった組み方はユニークですからね。悩みますよね。
私も正直、正しいものは何なのか(急に尾崎豊っぽくなった…笑)
分かっていないのですが、こうやって全てをクドクドと書いてみると、
恐らく、
【そもそも匿名組合にとって、担保に入っているかは関係ない】
⇒【FUNDS部分が無担保無保証であろうが、第二抵当であろうが、不動産クラファン=不特法における口数にカウントされている以上、エクイティ投資である優先出資、劣後出資より借入部分は優先される権利なので、優先出資者より、FUNDSが救済されやすい】ということになるだろうなと思います。
もう少し、例え話を用いて、自分なりにここまで書いたことを考えると、
【タスキの物件にミサイルが降ったり、テロが起こったりして価値が0になったとしても、事業者が潰れなければ、借入はノンリコースローンでない以上、担保に入っているかいないかは無関係に、返済しないといけない。(物件を売るかどうかはあくまで任意の判断)】
【エクイティ投資である不動産クラファンの投資家は物件の価値に連動して、元本が毀損するかしないかだから、事業者が絶好調であろうが絶不調であろうが、物件の価値が0になれば、当然に元本は全損しうる(実際は体力があれば事業者が何らかの手段で救済しようとはするでしょうが)】
というスキームの違いがあるので、FUNDS部分が裏側でどんな抵当権があるかないかとは関係なく、借入という形で匿名組合に資金提供している以上、
エクイティ投資である、優先劣後より更に優先されるはず。
ということになるのかなーと思いました。
つまり、この場合、レンダーがシニアローン、FUNDSがメザニンローン、
不動産クラファンの投資家は疑似的にジュニアローンの位置になる感じですね。
(実際は、不動産クラファンはエクイティ投資なので、「ローン」ではないですが)
自分の中では勝手にそういうことにしちゃいましたけど、
実際的にはどうなんでしょうね。
まさか25時半までブログ記事作成に励むことになるとは思いもしなかったですが、
(念のため、見直して朝更新としました笑)
貴重な考えるきっかけをくださった、小心タロウさんに感謝申し上げたいです。
ありがとうございます。
本当のところが何なのかも気になるところではあるのですが、
それとは別に、たまにはちゃんと頭を使うというのも大事だなーと思った深夜でした。
頭を使って考えると、気づきがあって、楽しいですよね。
無論、気づいたつもりだったけど間違うことも多々あるのですが、
その間違いにも「気づき」があると、またそれが次の血肉になりますからね。
というわけで、正解をご存じの関係者の方、詳しい方がいましたら、
表でも裏側でも良いので、教えていただけたら嬉しいです。
以上、ちょっと不動産クラウドファンディングと借入について、
考えてみたという記事でした。
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