投資型クラウドファンディング愛好家の案件考察ブログ

不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディング愛好家です。比較的高利回り案件を中心に考察をしています。※当ブログは広告紹介、リンクが一部記事に含まれております。

インカム型とキャピタル型ってどっちが好きですか?

今日もあまりこれというネタもないことなので、コラム的な記事にしてみます。

インカムゲインとキャピタルゲインの案件はどちらの方が良いのか?

どちらの方が自分なら好ましく感じるか?

そのあたりについて、多少の理屈も交えて書いてみます。

 

まずインカムゲインとは何なのか。

かなり基礎の基礎ですが、一応ちらっと書いてみます。

インカムゲインとは(不動産では)賃貸することにより得られる家賃収入など、それら資産を保有し続けることで、生まれる継続的な収入。

つまり持っていることに意味があるということです。

持っていさえすれば収入があるという状態がインカムゲインということですね。

 

それに対してキャピタルゲインとは、株式や債券など保有している資産を売却することによって得られる売買差益のことです。

つまり持っている状態ではなく、以前買ったものを売った時に生じる利益。

最後に1回だけ生じる利益ということですね。

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不動産クラウドファンディングにおいては、インカムゲイン型、キャピタルゲイン型、混合だがインカムゲイン主体型、混合だがキャピタルゲイン主体型という4種類がありますが、その違いについて意外と誰も書いていないので、自分なりに書いてみます。

 

1:インカムゲイン型のメリット、デメリット

メリット:持っているだけで約束の収入が得られるため、手堅い。不動産の収益は月単位で得られるため、事業者から投資家への分配も毎月単位であったりと「早いタイミングで収益が出る」ので安心感が高く、再投資の効率も良い。

こういう感じですね。一方でデメリットも実はあります。

 

デメリット:持っているだけで得られる形のため、高い利回りを約束すると事業者が苦しくなるため、やや利回りは低めの案件となる。

そして、ここが意外と大事ですがキャピタルを重視していないため「インカムで利益が出たとしても、その後、キャピタルが損失が出るリスクは実はある。」その場合先にお金が増えたものの、後からその分のお金が出ていくことになる。マイナスが発生する。

こういう感じです。

 

2:キャピタルゲイン型のメリット、デメリット

メリット:売却時の差益が配当原資となるため、利回りは高くつける余地がある。早いタイミングで売却することを基準とした場合は年利換算で非常に高い利回りが出ることもありえる。キャピタルで投資家へ配当することを目的としている案件のため、フェアな取引であればキャピタルでマイナスが出る可能性は少ない。劣後出資次第だが損失が出ずに済む可能性は高い。

 

デメリット:保有しているだけで利益が出るものではないので、

利回りの実現確率はインカム型よりも低くなる。

 

ちなみに、多くの方は「この案件はインカム系だよね」とか「この案件はキャピタル系だよね」とか言いがちですが、

実はほとんどの事業者のほとんどの案件は、【混合型】ではあります。

どういうことかと言うと、インカム系の案件と言っていたとしても、

キャピタルでの利益や損失は匿名組合の会計の計算に入っているからですね。

 

なので、インカム系の案件と言っていたとしても、キャピタルの部分で大きな損失が出た場合はそれは出資者にも転嫁されうるということですし、

キャピタル型の案件と言っていたとしても、何らかの事柄でインカム的な収入があればそれは算入されうるということです。

 

よく契約書を読むとその条件が記載されているので、

読んでみると面白いかもしれません。

「満つる」的な文面が多く書いてあるあたりですね。

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例として挙げてみます。

 

インカム型の例

 

1.東京都内のレジデンス 1億を利回り3%(マスターリース有)で運用。期間は12ヶ月。劣後30%。

こういう案件は毀損の確率は低いでしょうか。

利回りについてはマスターリースで変動がなく守られている。

そして劣後出資が30%あるので、売却時にマイナスが出るリスクも低い。

利回りこそ3%と低いものの、かなり手堅い案件ということになりそうです。

 

2.茨城県内のレジデンス 1億を利回り8%(マスターリース有)で運用。期間は12ヶ月。劣後10%。

これだと元本毀損の確率はそれなりに上がります。

利回りについてはマスターリースで変動がなく守られていますので、確実に配当がありますね。ただし、あくまで「インカム型」であり、キャピタルは狙っていない。狙えない案件となりますから、【事業者が元気な限りは自社の所有物件に戻します。】という約束的なものが記載があれば別ですが、そうでない限りは利回りこそ守られているものの、売却時のキャピタルロスでの損失については「ありえる」ということになります。

つまり一度はプラスが生じたにせよ、売却時にマイナスが生じて、利回りが下がったり、最悪はマイナス利回りになる可能性もありますね。

 

キャピタル型の例

 

1.埼玉県内の古屋付き土地 1億を利回り6%で運用。運用期間は6ヶ月。劣後30%。

この場合は、利回りを達成出来るかは未知数ですが、劣後が割れる可能性はかなり低いと言えるでしょうか。

案件について考察はちゃんとしないといけないですが、ごく一般的に考えればキャピタル型として組成している=キャピタル収入が得られる見込みの物件であるということであり、尚且つインカムでの利払いはしないわけですから、事業者としてはマイナスが生じづらいわけです。なので、仮に利回りが6%より下回る可能性はあるとしても、マイナス利回りになって劣後が割れて、なおかつ損失まで出るかというと普通はあまりないだろうなと言えます。

 

2.千葉県内の素地 1億を利回り8%で運用。運用期間は6ヶ月。劣後5%。

こういう感じだとそれなりにリスクはありますが、そのリスクは利回りの高さと差し引きされているので、これはこれでありとも言えるとは思います。

つまりインカムでの利払いがない上に、キャピタルで高い利益を約束しているので、その利益の目標が実際の結果としては下方修正になる可能性はあるにせよ、0とかマイナスまでは行かないのでは?と感じられるということですね。

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以上まで書いてみました。

何となく伝わったかもしれませんが、

実は私は【キャピタル型が結構好き】というのがあります。

一般的にはインカム型の方が恐らく人気があると思います。安心感がありますからね。

でも、ちょっとギャンブルとまでは言わないにせよ、不確定要素があるキャピタル型の方が自分的には投資してるなーって感じがして、楽しいというか、

意外と嫌いではなかったりします。

 

ざっくり言えば、

 

投資のしやすさ:インカム型>キャピタル型

(インカム型は利回りがほぼ決まっていることが多く分かりやすい。キャピタル型は記載されている利回りが実現可能かの考察が必要)

 

劣後出資の重要度:インカム型>キャピタル型

(インカム型の場合は利回りが決まっている反面、売却時のロスについてはあまり触れられていないため、不測の事態が起こった時に劣後出資の割合の厚みが大事になる。

キャピタル型は売却時の成績のみ案件の成功失敗が決まる以上、売却で利益に対しては確度が高い案件が多いので、利回りが想定より下がることはありえるにせよ、劣後が毀損するほどマイナスになる可能性は高くないとも考えられる。<ただし、と結論づけるためには案件の詳細な考察の必要が有)

 

利回りの作りやすさ:キャピタル型>インカム型

(これは前述した通り、仕組みの違いですから、分かりやすいですね。)

 

短期案件の魅力:キャピタル型>インカム型

長期案件の魅力:インカム型>キャピタル型

 

こんな感じになるのかなと思います。

 

おおよそ、インカムとキャピタルを比較した時に、

んー、7対3くらいでインカムの方が良いことがあるような感じです。

やっぱり圧倒的な優位として【定期的に利払い出来る】というのがありますからね。

 

ただし、私は結構何に対してでも逆から考える方でもあります。

例えば【インカム型の方がごく一般的に言えば手堅いし、利払いも安定的だし評価されやすい。だからこそ、インカム型は気を付けないとリスクがある可能性もある】

みたいにですね。

つまり、インカム型と謳って、高い利回りとマスターリースを約束しているけれど、

よくよく物件について考察すると、キャピタルロスが生じる可能性が結構ありそうだから、そこでの利回りマイナスの可能性を見ないといけないな。

みたいなことです。

 

逆にキャピタル型は利益の根拠が危なっかしいというのは普通に考えれば理解しやすいでしょうから、どうやったらキャピタルゲインが払えるのかについては事業者側から案件ページでちゃんと説明されていることが多く、

自分で考察もすると、実現可能かはある程度想像がつく。

なので、意外と案件によっては利回りを最大値で実現できるかは別にして、

毀損までは行かない感じがするというか、

劣後出資が薄くても大丈夫にも思えるものも場合によってはある。

 

こんな風なことを思ったりするんですよね。

 

それに、実はインカム型の案件で仮に売却時の損失が出た時に、

どうやってその損失が分配されるのかという話ですが、

 

優先順位1:劣後出資者の利益から引かれる

優先順位2:優先出資者の利益から引かれる

優先順位3:劣後出資者が被る

優先順位4:優先出資者が被る

優先順位5:劣後出資者の固有勘定が被る

こんな風になります。

つまり、実は劣後出資者がマイナスに転落する前に、

優先出資者の利益が使われることになるということですね。

だからインカムが8%であろうが10%であろうが、売却時の損失が出れば、

それはその部分の補填に食われてしまうことになります。

 

私は一口馬主というのを趣味でやっているので、

これはそっち界隈においては身近だったりします。

10万で馬を1口買いました。途中、6万円賞金を稼ぎました。

この馬が10万円で最後売れれば儲けが出る計算です。

でも当然成績が奮わなくなって年老いたお馬さんが最初の価格で売れるわけもないですから、ただ同然で買い取られていきます。

(非常に好成績を上げて種馬として買い取られた際にはキャピタルゲインも生じる可能性はありますが、

ほぼ可能性は0です)

ですから、インカムだけで元本以上を稼がないと一口馬主においては損が確定しています。そしてお馬さんがそんなに稼ぐ確率は1割もないので大体損をする・・・と(笑)

これはまあ娯楽ですから、ファンドとして儲けを重視するものでない以上、仕方がない話ですが、投資としてみたら手を出したらいけない商品ですね。

 

でも、これと同じことが築古かつ地方のアパートとかの長期案件であればある程度言えてしまうわけですね。期中は利益が積み上がるけど、出口のところは長期案件で物件価値が下落、需要が低迷するので、ファンド開始当初の金額で売れるとは限らないので損失が出る・・・みたいな。

 

ま、そういう意味で【インカム型の案件だからキャピタル部分は無関係】ということは実は全く言えないということなんですよね。

実際はキャピタルで大損するような展開が起こるかと言われれば、

基本的にはありえないところもあるわけですから、

(特に上場企業系の案件で自社買い取りをする余地がある場合など)

インカム系案件の優位性はやはりかなりあると言えばあるのですが、

とはいえ、ルール上はそういった文面になっていはいます。

それこそジョイントアルファの案件だってそうは書いてありますからね。

 

というわけで、インカム型とキャピタル型はどっちの方が好きか。

一般的な視点で言えば8対2、7対3くらいでインカム系の方が安心感もあって良い案件と認識されやすいと思います。

実際にそれは多くの場合、間違いではないとも思います。

ただし、美味しい話には裏がある。じゃないですけど、

実際は事業者側もインカム案件の場合はキャピタルでの損失のリスクについては積極的に触れないものの実はありえる案件を組成しているのに対して、

キャピタル型はある意味キャピタルでしか利益が出せない以上、そこの確度が低い場合は案件としてそもそも成り立たない関係上、意外と「利回りが下がる可能性はあるにせよ、案件そのものがマイナスリターンになる地雷案件である」という可能性はそこまで高くないとも考えられる。

 

そういう裏からの考え方及び、自分なりに案件を考察したりも頑張ってしているので、

自分に関してはインカムとキャピタルは実はイーブンくらいの評価をしている。

あるいは目標利回りの高さ、案件の期間の短さなどからキャピタルを上に評価しているケースもある。という感じでした。

 

一言だけ読み手の方に偉そうに何かを言うとすれば、

 

【インカム型】=インカムと言っても売却時の損失も会計上算入されるので、売却の確度が高いのか、市況が悪い時も自社所有として買い取ってくれる事業者なのかを確認した方が良い。ただ楽に安心出来る投資をしているとは限らない。高い利回りの案件であればあるほど地方案件であるなど売却時のリスクが実はあるものも多い。劣後出資の比率はもちろん、劣後出資者の利回りが投資家利回りに比べて高いのか同様くらいなのか、むしろ小さいのかなどを見ると良い。

 

【キャピタル型】インカム型ほど目標利回りを達成できる可能性は高くない。事業者もそう投資家に認識されていることは理解しており、どうやってそのキャピタルを得るのかがちゃんと案件ページにおいて説明されているケースが多いので、よく読んで自分なりに考察すると良い。逆にキャピタルのみが原資になるので劣後出資の厚みはインカム型ほど案件の良し悪しには関係がない。あくまで良し悪しは目標を達成出来る内容か否かがほとんど。

 

こんなところでしょうか。

 

何となく思いつくままに書いてみました。

以上、自分はそれなりにキャピタル型が好きなんだなーと自認した記事でした。

多少なりとも読み手の方の参考になれば良いなと感じながら書きました。

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