深田恭子さんの交際相手としても知られる杉本宏之氏。
氏が経営されている、株式会社シーラが新たに運営する不動産クラウドファンディング事業、「利回りくん」に登録してみました。
この株式会社シーラは不動産クラウドファンディングの中でも小規模の形で事業を行える形の届け出を行って、
「SYLA FUNDING(シーラファンディング)」を以前運営していましたが、
いつぞやから動きがなくなり・・・サイトはどうするのかなと思っていたところ、
このSYLA FUNDINGを再構築した形で、利回りくんがオープンしました。
その関係で、SYLA FUNDING時代の案件も、
利回りくんのサイトに掲載されている形です。
ただし、利回りくんで扱う案件は大きいため、小規模の届け出では不可であり、
新たに一般の不特法業者として登録をすることで、リニューアルオープンをしました。
シーラ自体は元々小規模である必要がないくらい会社の規模も大きく、
財務的にも安定しているので、このこと自体は何ら気にかかることではなく、
不動産クラウドファンディングに更に力を入れてきたんだなという印象です。
ちなみに、リニューアル記念でSYLA FUNDINGに登録されていた人には
アマゾンギフト券が配られたようですね。
私は登録していなかったのでもらえませんでしたが・・・
が、新規登録でもアマゾンギフト券が配られているので、もらうべく登録しました。
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というのは本当でもあり嘘でもあり・・・という感じで、
本命は「利回りくんの案件の中身を見て、スキームの詳細を確認したかった」
というがあります。
世の中、実際に登録してみないと表面的な記載しか分かりませんからね。
一応、こんなブログでもブロガーとして色々な言葉を発信しているので、
かなり案件の見せ方とか、訴求の仕方が独特なので考えるきっかけになるかなと思ったということで、登録してみました。
まあ、言葉の選び方がなかなか難しいですが、
【意外とありじゃん】という印象を受けるのか、
【これは・・・】というような印象になるのか。
そのあたりを自分なりに感じてみたいなというところです。
早速、下記は見て感じたことを書いていきます。
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1:イヌネコ案件
7月末までの募集で、募集金額が4億1040万、劣後出資は5%あり、利回りは3%、運用期間は6ヶ月からとなっています。
運用期間の表記はこれで良いんですかね?結構グレーですよね。
最初は10年と記載していたのに、6ヶ月からって書き方になりましたね。
契約期間として10年あるという記載になっているので、ちゃんと読めば分かるんでしょうけど、ちょっと分かりにくくしたなという印象は持ちますね。
これは間違いではないというか、途中で譲渡が出来るからということです。
そのあたりの良いところ悪いところは後述します。
この案件をさらっと最初に見た時に思ったのは、
【この金額だけど、区分なのか!】ということですね。
実は小さく区分って書いてあるという。
普通はあの画像が乗っかっていて4億ですから、
【イヌネコヒルズ全部が権利だ!】って思ってしまいますよね。
不動産クラウドファンディングをちゃんとやっている方は、冷静に考えればとても大きなマンションが4億で全部運用できるわけないと気づくかもしれませんが、全然知らない素人の方は間違いなく勘違いしますね。
だから何なんだという話ではありますが、色々良いことも書いてありますけど、全部を運用するわけではないのか。というのはありますね。
前澤さんも杉本さんも大金持ちなんだから全室取得すればいいのにねとか。
私はオープン仕立ての時に、一通りの案件を見て、そこは、まあ、すぐに気づいたわけですが(あ、これ、区分なのか。おお・・・でも、1区画で4億ってことはさすがにないよな。登録して見てみたいくらいだな。と思ったのが始まりでした)
実際は、【複数かつ全体の中のそれなりの量】という感じでした。
ちなみに実はこの建物の元の持ち主が、
とある別の某クラウドファンディング事業会社絡みということも判明。
そして今まで全然知らなかったのですが、その絡みの3者(1社+2名)が以前の社名の時にちょっとした問題を起こしていたということもついでに見つけてしまいました。
(※一応、考えてみたら、いくら経営者である方とはいえ、あくまで個人の情報をここに書くのは問題があるかと思い、ぼかした表現に訂正しました。)
まあ、この話は立場的にあまり触れない方がいい話でもあるので、このあたりにしておきます。ご興味のある方は利回りくんに登録して(アマゾンギフト券をもらって)調査されたらいいかなと。
我ながらそういうところに気づいてしまうのは、不思議でしたが、この名前でこういう感じだと、関係あるよなと気づいたんですよね。
その元の所有主(恐らくシーラ側に売却した分の残りは引き続き所有するのでは?
と想像されます)はご高齢の方のようなので、資産の処分的な感じなんですかね。
借り入れも絡んでいるかもしれませんが、というわけで、そういったお金を持っている方が借り入れをして所有していた物件をシーラが借り入れをして買い取り、そして、出資者のお金で返済して運用するって感じのようです。
まあ、残りの部屋がどうなるかは、ここに書く必要はないので、
実際は物件名も「イヌネコヒルズ」とちゃんとつけているし、
その用途で別の会社が取得したりもするのかもしれませんが・・・
というわけで、ともかく区分だよという案件ですね。マスターリースかつ3%固定です。
2:ライバーズ案件
ライバーってなんだろうって思っているおっさんの私ですが、つまりはライブをする人ってことなんですかね?ともかく防音マンションだそうです。
7月末までの募集で、募集金額は8721万、劣後5%、利回り3%、運用期間6ヶ月から記載の実質10年と同様ですね。
これは比較的普通な感じの案件なんでしょうか。
区分ですが、ちょっと特殊で複数フロアを賃借人に貸すものの、その複数フロアを一体として使う形を想定しているみたいです。
そういう場合、例えば10F~13Fを使っているのに1001号室みたいに記載するってこともあるんですね。そんな書き方でした。
賃料はそれなりに取れているものの複数フロア全体を貸すのではないような書き方もしているので、それ以外の部分をどう活用するのかはよく分からない感じも。
尚、ここ大事なところ。ちゃんと書いてありますが、
【この案件はマスターリースではありません】ですね。
シーラさんが賃借人じゃなかったので、あれ?と思ったら、
ちゃんとマスターリースじゃない案件って書いてありますね。
こういうのも複数のパターンを織り交ぜることで、知識のない方に分かりづらく、
運営者が有利な条件を拾えるようになっている感じがします。
3:シニア案件
7月末までの募集で、募集金額は3990万、劣後5%、利回り3%、運用期間6ヶ月から記載の実質10年と同様です。
これはあまり言うところがない案件でしょうか。区分の案件で、面積としては小さい。
そして面積は小さいけれど、シニア向けにしているので賃料を大きく取れる。なので、利回りが出せる(ただし経費も相応にかかるでしょうけれども)という感じ。
どちらにしても、マスターリースなのでシーラさんの中抜きがあるので、インカムは安定的な代わりに3%固定となる感じですね。
4:ヒルズ案件
7月末までの募集で、募集金額は6935万、劣後5%、利回り2%、運用期間6ヶ月から記載の実質10年と、利回りは他よりも下がっています。
いやー、さすがのヒルズだと利回り出ませんね。
これはシーラさんもそんなに旨味があるわけじゃないですね。
元の利回りも高くつけられる話じゃないでしょうからね。マスターリースで2%ですね。
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意外と子どもが早起きしてきそうなので、これくらいで尻すぼみにせざるを得ない感じです。さらっとまとめたいと思います。
まあ、うーん、結構厳しいですよね。一言で言えば【誤認させる】
というのを上手く使っている感じが私にはどうしてもしてしまいますね。
例えば、ライバー案件のみマスターリースではないけれど、
ちゃんと書いてはあるものの、そのスキームの違いを【応援投資家】=【素人投資家】に説明したりというのはない感じですよね。
そもそもマスターリースとは何ぞやとかも、応援投資の人を本気で大事にするなら、もうちょい説明すべきでしょうけど、
あくまで分かっていない人にいちいち分からせる必要はないって感じの説明ですしね。
そしてスキーム図を見てくださいって言いながら、まあ、画像が小さい・・・
拡大することも出来ないとかね。
それとこれはまた追って書いてみたいですが、【ロケット案件】だけは【任意組合型】ですね。だから投資家の無限責任が適用されてしまう。
そういうのも、【何故、これは任意組合型を採用したのか】とか【その良さはこうである、デメリットはこうである】みたいな解説がない。
ということは、つまり、投資家にそこを教えずに、応援という言葉に惹かれてきた方を自社に都合の良い形で投資家にさせたいっていう意思を感じますね。
無論、事業会社としてメリットがない事業なんぞやっても仕方がないので、自社に都合の良い形で投資家を引き込もうとするのは大事なことなんでしょうけど、
やっぱりもう少し投資家に説明する姿勢はあってもいいのかなーと。
ちなみに運用期間が10年ということですが、途中で譲渡することは出来ます。
そして譲渡する時の手数料も安い。
ここは「おお、良かった」みたいな気持ちになるのですが、
ただし注意点があって・・・【元本は保証されない】という。
譲渡することが出来るという時点で、投資家として助かる部分なので、そこを悪く言うわけではないですが、10年もあれば、不動産の資産としての価値も下がるでしょうから、途中で解約した場合に、手数料は大したことないとしても、不動産の評価額がかなり下げられると実質的に結構なマイナスは生じそうだよなーと。
もっと言えば当たり前ですけど、10年後の出口の部分で、今と同じ不動産の価値があるのかというところですよね。
シーラさんは10年間、投資家のお金が自社に入ってくるので、
利回りを払うとしても、マスターリースで抜き幅もあるし、
そのお金を使って更なるレバレッジを利かせて色々な事業が出来ますけど、
投資家は10年間お金を拘束されて、利回りはもらえるけれど、出口では恐らく不動産の価値が下がっているだろうということで元本割れの可能性もあるでしょうし、
もっとも、【応援のついでの利回り】と考えれば許容範囲かもしれませんが、
プラスで終われるかっていうとどうなのかなーとも思います。
ちなみに元々の評価額についても、今回は時間もないし、私自身素人なので調査はしませんが、確度はどうなんだろうと思ったりします。
普通、これだけの大がかりな案件で、シーラさんほどの会社であれば、もう少し確度の高そうな評価をしても良いとも思うのですが、そういうわけではないので、
出来るだけ、コストはかけずに、投資家に転嫁して、自社にキャッシュを入れたい・・・とまで言うと少し言い過ぎですが、そういう感じなのかなーとかも。
当たり前の話ですが、最終的な入居者が犬だろうが猫だろうが老人だろうが、
不動産クラウドファンディング投資においては無関係ですからね。
富豪老人が賃料を月に100万払ってくれようが、アイドルが賃料を月に100万払ってくれようが、同じであって、
その裏側のストーリーとか、裏側で利用される方にとって、この施設がどうだとか、
もっといえば、近隣にその使いやすいための施設が色々あるだとかというのは本当に無関係中の無関係でもあります。
更に言えばマスターリースなので、そういう裏側でどんな方がどう利用されるかは関係なく、お金が入ってくるのがマスターリースの良さである以上、
こんな施設だから利回りが出せるんだよ~みたいな説明も、
無関係といえばそうだったりも・・・
マスターリースということは、一言で言えば「シーラが払えるから利回りがO%なんだよ」で終わる話ですよね。
シーラさんがその先、前澤さんに貸そうと老人に貸そうと同じですからね。
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というわけで、マスターリース案件がそれなりに多く(インカムが安定的)、途中で譲渡をすることも出来るという良さはありますが、
評価額がどうかという部分と、譲渡時点での評価額に基づいた形になるので、
返してもらえる金額は未知数であり、
それでいて10年間は契約期間なのでやめるのはなかなか大変であること。
利回りは高くない上、様々なスキームを案件ごとに使い分け、詳しくない投資家が誤認させやすい形を採っていること。
そして、10年間、シーラさんサイドは投資家のキャッシュを返す必要がないので、長期間自社の拡大のレバレッジとして使えること。
(期中に色々な説明をする必要も恐らくないですよね。)
ということを鑑みると、うーん、投資家がかなり不利だよなーとは思いました。
当然、詐欺とかではないですし、「見せ方」の問題であって、不動産クラウドファンディングの雛形にはちゃんと入っていて、劣後出資も5%とはいえある。
実際に3%も利回りが出せるわけで、マスターリース案件を選べば、元本が多少欠けても10年後にプラスで運用終了出来る可能性はあるかもしれません。
とはいえ、儲かる可能性という話で行けば、他の事業会社さんのクラウドファンディングよりは低いだろうというのは間違いないだろうなと思いました。
まあ、この文章ではあまり上手く伝えられませんでしたし、私も色々な事業会社さんにお世話になっていることもあり、事業会社さんを悪く言うのは難しいところもあるのですが、強いて言うならば、【もっと良い会社さんはたくさんある】ということと、
ここは、強調したいですが、あくまで、
【不動産クラウドファンディングは事業会社さんへの応援投資】であって、
(事業会社さんに私たちのキャッシュが入るわけですからね。)
その先の(裏側の)人が誰かはほとんど関係ないし、その先の人の動きがどんなに成功しようと失敗しようとリターンに影響がないのが良いところです。
ということは言いたいですかね。
裏側がどうであれ、リターンに影響がないのが良い部分であるのに対して、
その裏側のストーリーに長い文字数を割くというのは、事業の良い部分、悪い部分、
(悪いわけではないですが、株などと違うので、入居しているレストランやテナント会社がどんなに成功しようとその利益を享受出来るわけじゃないですね)
と矛盾しているというか、何だか事業内容と案件の見せ方に、
「自己矛盾」があるような気持ちになりました。
繰り返しになりますが、どんな会社のどんな案件であれ、不動産クラウドファンディング事業は、事業会社(場合によって運営会社は募集係でしかなく、また別の不動産会社が1号という責任者であったりしますが)にお金を渡す行為ですので、
応援する先は、その事業会社・・・今回で言えばシーラさんになります。
ので、シーラさんの拡大の応援をしたいと思う方は、利回りくんに投資するべきですし、ストーリーに書いてあるそういったペットであったり、アーティストであったりを応援したいのであれば、また違う形での投資、資金拠出の方が良いんじゃないかなーとは私は思いますね。
そして、もっと言うならば、事業会社を応援してください!という面をちゃんと打ち出せるクラウドファンディング事業者はある意味で誠実であり、
その先の応援・・・のような言い方を全面に出してくる会社は、事業会社としてのメリットを隠している部分があるとも言えるでしょうか。
そこまで自社を全面に出す会社も、エンドユーザーのストーリーを全面に出す会社も基本的にはないとは思いますが、強いて言えば、その2つの熱量の違いが極端な会社は、少し注意を払ってみるのもいいかもしれませんね。
自分としては今後そういうところに注意を払おうかなと思いました。
・・・思った以上に辛口なことを書く羽目になってしまって、少し後悔していますが、まあ、でも、ちょっと誤認しやすい説明書きが多いので、
仕方がないかな・・・ということでこのまま掲載しました。
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