元祖の不動産クラウドファンディング業者であり、運用額No.1を走り続けている、
クリアルについて紹介すると共に案件についても紹介してみたいと思います。
(と書いたのですが、案件まで手が回らず、別の記事に持ち越しとなりました。)
クリアルはソーシャルレンディングがまだ全盛期の2018年末に募集を開始した老舗(?)の不動産クラウドファンディング業者です。
・・・ので、まあ、このブログを見ている人で知らないという人はあまりいないでしょうか。あまりっていうかいないでしょうね。
というくらい代表的な存在です。
当初は都内一等地の区分マンションなどを程ほどの利回り+低リスクで募集しており、
手堅いイメージがありましたが、少しずつ大型案件が増え、最近は事業者として他社より長く活動している安心感+利回りの高い案件や募集金額の多い案件のあるNo.1らしい華やかな業者という雰囲気も出てきています。
大型レジ案件、大型ホテル案件、大型保育園案件など、様々なタイプの案件を「募集金額多く」動かせているのは、現状クリアルだけであり、会社としての実力の高さは疑いのないところではないでしょうか。
特に保育園という地味なアセットをクラウドファンディング等の不動産投資界隈で魅力的なものと認知させたという功績はかなり大きいのかなと思いますし、
既にソーシャルレンディングも含め、保育園を案件として募集する例は年々増えつつあるので、そういった不動産クラウドファンディングや保育園が良い案件だという「文化」を作ったという意味でも功績は大きい会社さんだろうなと思います。
・・・と、本来であればここで終わる方が広告らしい感じになるのですが、
私はやっぱり自分の思うことをそれなりに色々書きたいという性格なので、少しマイナスな言葉も書き足します。
そんなNo.1企業のクリアルですが、
「ここのところ劣後出資比率が減っている」「大型案件のペースが非常に速い」
というのが私自身としては懸念材料になっています。
まず、優先劣後という仕組みはざっくり2つの意味合いを持っており、
1つ目はよく言及される話であり少し今更感もありますが、
「投資家が損をしないためのクッションになる」という側面です。
名前の通り、劣後ということは後回しなので、万が一その案件に損失が出た時に、3割、2割、1割、5%等、事業者が劣後出資した分が先に棄損していくので、投資家が損する可能性が減るということ。
これがあることで、「その一回」は救われる可能性が高くなり、比率が高いことは基本的に良いこと。となります。
ただ、注意したいのは不動産クラウドファンディングは【疑似的に物件を持っている気分になれる投資】であり、実際は【営業者への出資】ですので、営業者が倒産すると全額パーということ。
つまり、そもそも劣後出資者=営業者である以上、営業者が損をすること自体、投資家としては望ましくなく、劣後出資がO割だから安心と考えるべきではなく、劣後出資者(営業会社)が損をしない案件かどうかも投資家サイドで気にする必要があります。
クッションという考え方の他の、もう1つの考えとしては劣後出資の金額や比率が「その会社がこの案件にどれだけ自社資金を投資したか、出来たか、したいと考えたか」と分かるという部分です。これは正確には劣後出資ではなく、投資家と営業会社が並列で投資した場合にも同じ話とはなりますが、基本あまり並列で投資する案件は多くないので、劣後出資という言葉と≒としておきます。
先ほど書いたように、不動産クラウドファンディングの投資は営業会社への出資であるため、ざっくり言うと、営業会社に配当をもらう約束でお金を差し出す行為です。
なので、【大型の案件を高頻度で募集している=投資家のお金を大量に短期で自社の資金として集めている】という行為となります。
それに対して、同時に劣後出資比率が高ければ【自社資金がちゃんと存在している証】ということになりますし、低ければ【自社資金にあまり余裕がない or 自社資金を使いたくない案件かも】ということになります。
クリアルの案件組成能力の高さは言うまでもないことで、その高い組成能力でNo.1となりましたし、事実、その組成能力に対して償還もしっかり行って高い営業会社としての力を発揮してきました。
しかし、その反面、ここ最近、劣後出資の比率が以前より下がったまま大型案件を毎月のように募集しているのは、「自社資金には余裕がない(?)」中で、「投資家資金を大量に集めている」ということとも言えるため、
そう考えると、大型案件のペースが少し速くないかなという懸念が私自身にはあります。自分自身は既に100万弱の金額を投資しているので、少し案件の精査については厳しめに見ていたりもします。
8000万でビルを買い、9000万で募集して、その9000万でまたオフィスを買い、10000万で募集して、その10000万でホテルを買い・・・
みたいなことを借入を用いずに出来るのが不動産クラウドファンディングの事業者側のメリット。
投資家の資金をレバレッジ的に使うことで、どんどん有望な土地やビルを手に入れられる。そして高頻度で案件組成が出来れば、当然投資家も喜ぶから更に拡大する。
これがすべて上手く行けば短期間で会社を大きくして、利益も大きく出すことが出来、投資家も多数の案件の多額で高い利回りがもらえ全員ハッピー!ではあります。
ただ、そういった短期間の拡大路線は何か1つ運用失敗があると、危ない。
(それこそ劣後出資が1つ棄損してマイナスが出るだけで、事業者も痛いし、優先出資が1つ棄損したりして、評判が落ちると続かなくなるかもしれない。など。)
クリアルは事実上NO.1の会社であるため、このまま拡大していける可能性も高そうですが、私としてはもう少しペースがゆっくりの方が安心かなーとも思うのでした。
決算書を見ると、決算の数字も決して悪くはなく、経営的には比較的順調かなと思います。
ただ、実際案件組成が速いので、当然、前期に比べて自己資本比率が急激に落ちており、その割には経常利益は前年と同等くらいなので、投資家へ高い利回りを払って大きな案件を動かしている分、全部が会社の儲けに繋がっているというわけではないなというところなんでしょうか。
(決算書の見方はほぼ素人なので参考程度に読んでいただければと思います。)
ちなみに会員になると、詳細な決算報告書なんかもちゃんと投資家宛に公開しているので、(投資家でなくともネット上で決算が見られるサイトに掲載されていますが)
そういう意味ではフェアな情報公開もしていて、立派な会社だなとも思います。
NO.1としての影響力の高さ、期待感もあり、これまで以上に高頻度で大型案件を出していて投資家としては投資しやすく、頼りになる営業会社であるクリアル。
ただし、少し拡大路線を歩んでいるのも事実なので、
未上場の会社であることも鑑みて、案件の良し悪しについては少し時間をかけて考えるのがいいのかなという会社さんです。
もっとも、案件の情報公開は特に秀でているので、投資家自身がちゃんと読み取れば分かることはたくさんあるかと思います。
先日から投資しなかった人は、募集終了した案件についての情報が見られなくなったので、投資するかは別にして、まずダウンロードしておくというのもいいかもしれません。情報公開が詳細で勉強になりますしね。
というわけで、クリアルについて紹介してみました。
・・・案件まで書く余裕がなくなってしまったので、
それはまた改めて書く時間があれば書いてみたいと思います。
累計運用額NO.1。高頻度で募集価格の多い案件を組成出来る力のある営業会社です。
登録はしておいて損のない会社さんだと思います。
※尚、不動産クラウドファンディングについて紹介する際は、知名度が劣るため、
類似した投資であるソーシャルレンディングをタグに入れています。両者は似たスキームですが、別物であることはご留意ください。
逆にソーシャルレンディングについて紹介する際は、不動産クラウドファンディングのタグは入れておりません。