本日の20時から募集開始のクリアル「Rakuten STAY博多祇園」について、
少しだけ書いてみたいと思います。
募集価格は3億8100万(成立下限は3億円)、想定の利回りはインカム3.4%+キャピタル2.6%となっています。
まず、クリアルの案件の良い部分としてあるのは、「マスターリースがある」というところでしょうか。
これがあるため、(利回りが多少最大値より落ちるとしても)インカム分の利回りが安定的になり、とっつきやすいファンドになるというのは言えると思います。
特に今回のような当たり外れの大きい「ホテル」の案件に関してはマスターリースがあることで、投資家がインカム部分で損するということがなくなるので、安心感は高くなりますよね。
まだまだコロナ禍がどうなっていくのか分からず、ホテル業界の未来も見えづらい昨今なので、マスターリースは安心感があるなと思います。
今回は比較的インカムも高く3.4%は確定しているのでいいなと思いましたし、
そういった条件を楽天LIFULL STAYと結べていることはクリアルの力だなと感じました。
で、気になるキャピタルの方ですが、(正確に調べる時間がなく、クリアル側の説明と何となくの手計算程度でやっています)
クリアル側の取得時点でのNOI利回りが比較的相場より高く(取得価格が安く)出来ているので、出口も恐らく毀損しないで行けるのでは?という感じはあります。
割と出口には持っていきやすい感じというか、条件は良さそうなんですよね。
ただ、少しリスクがあるとすれば「インバウンド需要の有無が未知数」ということで、
それによって「今後の利回り相場も不透明」「今後、土地代の上下ブレだってかなりある」というところ。
気になる方は福岡あたりの公示地価のここ最近の推移を見てもらえればと思いますが、
やはりインバウンドの盛り上がりと共に年々土地の価格が跳ね上がっていて、
その跳ね上がった価格から見ると取得金額が妥当であったとしても、
跳ね上がる前の価格から見ると結構高い・・・というのは、今回の取得価格なんかでもありえそうです。
当然、そういったインバウンド需要も含めた形での物件評価(どのくらい収益が上がるかなど)になってくるので、評価も上下のブレはありますよね。
原価法だとしても、土地代が上下にブレているので出しづらいでしょうし、直接還元法やDCF法など、もっと高い数字が出やすい計算方法を採用するなら尚更でしょうか。
そういう意味で、現時点で利回りに余裕はあり、出口も構築しやすいように見えるものの、ホテルというアセットとこのコロナ禍という状況のダブルでの読みづらさで、下ブレするリスクはあるということの言える案件ではないかと思います。
鑑定評価は未来の需要を予測するにあたって、当然過去のデータから見るでしょうから、未来が不透明な現状は、その評価も(誰のせいでもないですが)何とも不透明。みたいにも感じます。
もっとも利回りが高い=ブレが大きい=ボラティリティが大きい
というのは当たり前のことなので、(そのブレが下に来ても大丈夫なように、物件の評価価格が下がって、その分、表面的な利回りが上がる感じです)結構今更感のある話ではあるのですが、利回りが高いのは何故ということの中身のさわりのさわり程度は素人ブログとはいえ、一応書いておいてもいいかなと思って書いてみました。
とはいえ、仮に多少下ブレしてもマスターリースでインカムは守られていますし、劣後出資だってあるので、そう考えると投資家がガッツリ毀損というのは考えにくそうです。それこそ、アフターコロナでインバウンド需要が想定以上に出てくる可能性だって結構ありそうですし。
また、他のホテル案件に比べれば場所が都心の一等地なので、土地の価値も上下のブレはあるといっても、最低限絶対的に落ちない部分もあるでしょうし、そういう意味でも多少の安心感は他案件よりはあるかもしれません。
一つ個人的に言うとすれば、募集金額が大きいので、劣後出資が毀損するとクリアルとしても痛く、それこそ優先出資が毀損したりすれば、更に事業としての投資家からの評価にも関わり、他の案件の未来もそれこそ変わってくる話ではあるので、
多少、こういったご時世でもありますし、投資金額は利回りが高くて、高額に行きたくなりそうな案件ですが、行きたい気持ちの半額くらいにしておくのもいいかもなと自分は感じました。
私自身は金欠というのもありますが、既にクリアルのホテル案件(楽天絡み)に複数でかなりの金額を投資してしまっているので、今回は既に投資した分でクリアルさんに対するリスクは負っているという自分なりの線引きの中で見送ろうと思います。
ですが、まだクリアルに投資していない人や、ホテル系に投資していない人はマスターリースもあり、総利回りもそれなりに高いので、投資してもいい案件とは言えそうです。
以上、自分なりに感想を書いてみました。
※尚、不動産クラウドファンディングについて紹介する際は、知名度が劣るため、
類似した投資であるソーシャルレンディングをタグに入れています。両者は似たスキームですが、別物であることはご留意ください。
逆にソーシャルレンディングについて紹介する際は、不動産クラウドファンディングのタグは入れておりません。