不動産クラウドファンディング界の事実上No.1サービス、COZUCHIから、
昨年4月に運用を開発した稲村ケ崎(湘南)案件のフェーズ2が来ていますね。
既に昨日の夜、募集が開始されており倍率4倍近くと盛況です。
前回案件の投資家に優先権がある関係で、新規の方にとって実際どの程度の当選確率があるのかは分からない部分がありますので、
今回はそのあたりも鑑みて、私の方では念のための情報提供かつ、
自身の感想程度のザッとした記事に留めておきます。
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まずは概要を書いてみます。
案件名:稲村ヶ崎 開発プロジェクト フェーズ2
募集金額:5億円
目標利回り:6%
運用期間:12ヶ月
募集開始:4/6 19時~4/10 13時まで(抽選式)
1号事業者:株式会社TRIAD
2号事業者:LAETOLI株式会社
募集金額、利回り、運用期間は前回と同様となっています。
強いて言えば違う部分は、【開発に向けての進捗が1年であった】⇒【評価額が上がった】⇒【上昇分相当を劣後出資比率で積み増し】=【劣後比率上がった】
このあたりでしょうか。
まず端的に言えば、前回のフェーズ1から今回のフェーズ2に至るまで、
これという動きがこのファンドにはないままの現状です。
また、昨年時点ではフェーズ2は開発を進めることが前提条件となっていましたが、
今回はファンドページにもあるように、
【フェーズ2だが更地売却を目指す】という風に路線変更されました。
実際には更地売却というよりは現況のまま渡すようなイメージかもしれませんね。
で、それにも関わらず、TRIAD社が前回案件の投資家に対して利回り6%を払うということは、その利回りを払うだけの根拠がないといけない。
その部分は当然投資ですから裏側がどうだという事はとりあえず置いておいて、
ファンド上に書かないとフェーズ2に行く根拠がなくなってしまいます。
それについてはファンドページにこう記載があります。
フェーズ1運用成果について
前回フェーズ1では、フェーズ1運用成果として、①境界の確定、②埋蔵文化財の発掘調査不要の確認、③隣地越境に関する覚書を締結できた3点が挙げられます。
これら3点により本物件価値は向上したと考えており、フェーズ1運用終了に伴い、フェーズ1想定利回りを前提とした価格でTRIAD社がファンドから本物件を取得する予定です。
①境界の確定 開発後に境界の確定を行い、仮に当初想定していた面積よりも小さくなる場合、不動産価値が減少する可能性があります。そのため、境界の確定が開発前に済んでいることは、面積低下による不動産価値減少のリスクをなくし、大手デベロッパーが取得しやすくなる等売却先の幅は限定されないこととなります。
②埋蔵文化財の発掘調査不要の確認 本物件は鎌倉市内にあるため、行政からの指示により、埋蔵文化財に関する発掘届出を開発前に提出し、場合によっては発掘調査が必要となる場合があります。本物件に関しては、発掘調査は不要であると行政から既に確認しており、発掘調査による開発遅延リスクがない点は買主側のメリットとなり、売却活動へ有利に働きます。
③隣地越境に関する覚書締結 運用開始後、一部隣地の軒が本物件へ越境していることが判明し、隣地所有者と将来において越境を解消していく覚書を締結しました。当該覚書の締結は、買主側にとって、本物件価値を支える安心材料となります。
解説はしませんが、まあ、正直それほどの成果とは言えないようにも思えます。
実際に開発許可を取り、更地にしました。みたいなことでもないですしね。
ただ、実際にバリューアップを専門とするTRIAD社が取得し、外堀は少しでも埋めて方向性は示している以上、同業としては手を出しやすい状況にはなっているのは、ある。
とは言えるのかなと思います。
同じ土地や建物でも何だか分からない老年の方が持っているのと、
同業が下調べをして保有しているのでは、相手の心持ちも違うでしょうからね。
そういった意味で【ある種のお墨付き】を土地に持たせたのは成果とは言えそうです。
もっともそれが評価額の大きな上昇、利払いの根拠になるのかと言われると、
さすがに、どうなんでしょう…みたいな気持ちは応援団的な私でもあります。
ただ、現状の不特法(不動産クラウドファンディング)の雛形の中で、
不動産鑑定評価がなくても組成可能であったり、
自社が(基本的に理由の如何を問わず)買い戻すことが認められている以上、
何らこのファンドが変な動きをしているということもないため、
個人的には【何であれ調子の良い会社が買い戻してくれるなら良いんじゃない?】
みたいな気持ちはあります。
また、細かい部分を言えばキャピタルだけで100%依存という形で、想定利回り通りの金額を払うと、根拠が曖昧で問題視されるという恐れもあってか、
0.1%とは言え、インカムも設定し、明らかに上昇が見込めていない場合はインカムの0.1%だけにする可能性もあります。という文言も入れています。
つまり、当たり前だけど投資なので損するかもしれないし、利回りはあくまで想定だし、0.1%にする可能性もあるよ。と謳うことで何らかの元本保証的なイメージを持たれないようには記載しているということですね。
もちろん、6%想定だけどかなりマーケットが冷えているので、
それ相応にファンドとしては価値上昇に努めましたが、利回りは2%になります。
とかそういったこともありえるでしょうしね。
現時点ではインバウンドが回復、コロナ禍もさすがにアフターコロナと言ってまず間違いがないところまで来ている以上、
自社の保有で同業や実需の事業者が買いやすい体制に出来ていることも加味して、
利回りを払うということは、「明らかにおかしい」わけではないかなとは思います。
そして話は前後しましたが、そういった価値上昇という名目で利回りを払う以上、
成立前書面上に記載の【評価額】も上がっていなければおかしいことになります。
限定情報ながらあえて公開すると、この評価額は、
前回【6.6億】今回【6.93億】となっています。
COZUCHIの場合は割とフェアにとでも言いますか、
【書面上の評価額と劣後出資を合わせた募集総額がイコール】になっています。
無論、その評価額は「自分で言っている」という評価額ではあるため、
それが妥当なのかというのは各投資家の判断ともなるわけですが、
(鑑定がついていたとしても当然同じことですが笑)
評価額が上がった部分を優先出資に回さず、劣後出資比率に組み込んだのは、
良い判断かなとは思いました。
ということで意外と長々とした説明書きになってしまいましたが、
イメージとしては特に1年状況は変わっていないが、
外的要因としては環境が良くなっている。
また、ファンドページで記載されているように多少の外堀りは埋めてある。
不動産会社が保有していることで、土地に基礎的な価値は付与出来ている。
こういった状況までは来ており、劣後出資比率を上げてフェーズ2とした。
といった感じの案件です。
この状況でフェーズ2が組成されたことをどう評価するかが焦点と言えそうですね。
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住所、アクセスについても再掲しておきます。
住所
神奈川県鎌倉市稲村ガ崎一丁目15番7
アクセス
江ノ島電鉄「稲村ケ崎」駅徒歩4分ほか
観光地として著名な鎌倉市の稲村ヶ崎という立地であり、
江ノ電からも徒歩4分と好立地です。
(それにしても稲村ケ崎?稲村ガ崎?稲村ヶ崎?表記が色々ありますね笑)
また、詳しくはHP上をご覧になるか住所で検索していただくなどして、
地図で見ると分かるかと思いますが、
海岸線に沿って走っている風光明媚な国道134号線沿いが今回の案件の立地です。
立地は非常に良いとは言えそうですね。
今回の記事では詳細を割愛しますが、路線価で見ても、
普通の市街地と同じかそれ以上の1平米あたり20万を超える価値があり、
いわゆる【元はただ同然の土地を観光地として売買する】的な話ではないため、
基礎的な価値はどういうマーケットであれ残る土地である。
というところは安心材料ではないかなと思います。
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私自身は昨年落選した上に色々あってキャンセル募集にも参加出来なかったため、
非投資家です。
そのため、応募しても優先権がありませんので今回も恐らく落選となるでしょう。
ただ、まあ、市況的には好転していますし、こういった観光地の案件は状況が動く時は動くし、停滞する時は停滞するというブレが大きいわけで、
不動産という何年も使っていくアセットを1年で区切る方が本来不動産会社的には難しいと考えると、私はそこまでこのフェーズ2に違和感は持っていないんですよね。
なので、一応は応募もしてみようとは思っています。
それほど大きな資金で参加するイメージはないですが、
同じ観光地案件であった伊東市案件が6月中には償還になるとのことなので、
そこに入れた分と同額か近しい額で応募はしてみようと思います。
もっとも前述の通り、優先権がある方が相応にいるため、
実際的に言うと投資出来る可能性は低いだろうなーとは思っていますが…
まあ、参加するだけならタダということで(笑)
以上、COZUCHIの稲村ヶ崎案件 フェーズ2について、
自身のスタンス等も交えて書いてみました。
尚、昨年の記事も下記に掲載しておきますので、
ご興味のある方は、併せてご覧いただければと思います。
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COZUCHIにご興味の出た方は下記リンクよりHPをご確認ください。