今回は不動産クラウドファンディングとは関係なく、
単純に一個人としての不動産の取得、相続などについて書いてみます。
とあるこのままだとあんま良くないんじゃないの?
みたいなケースを耳にしたので、詳しい状況は分かりませんが、
例え話を脳の体操として書いてみたいと思います。
とある40代前半のMMSさんという男性がいます。妻子持ちです。
彼には父と母が健在でいますが、父と母は離婚しています。
彼は5人兄弟ですが、現在、父は実家で独りで暮らしています。
今のところ、実家を継いで住む人はいない見込みです。
さて、父は既に70代前半。そろそろ独り暮らしも少し心配になってくる年齢です。
ということで、実家を今後どうするかをMMSさんや兄弟は考え始めました。
が、考え始めて調べた時に気づきます。
【そもそも、この家って、ひいじいさんの名義のままじゃないか】と。
MMSさんから見た曽祖父、MMSさんの父から見た祖父の名義のまま、
相続登記が何もされていない状況のまま住んでいたのです。
つまりMMSパパは自分の持ち物でないところに長年暮らしているということになるわけですね。ぶっちゃけこのままだと良くないのでは?と思いつつ、
MMSパパは長年固定資産税を住んでいる人として払い続けていたようです。
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とまあ、こんな話だった場合、どうなるのでしょうか?
素人が想像するにこうなると思います。
【曽祖父が亡くなられた時点での存命の人物が相続の権利の一部を持っていたはずなので、その人に連なる人全員がこの物件の共有持分を持っている】と。
つまりMMSパパは何十人もの人が権利を持っているはずの家に、
お金は払っていたとはいえ住んでいたという形になるわけですね。
これは控えめに言ってヤバいですよね。ちゃんとしないとまずいと思います。
さて、このままてきとーに脳の体操ということで考えてみます。
曽祖父「栄助(A)」は息子が4人、娘が1人の5人の子どもがいました。そして妻は曽祖父死去時点で健在でした。
ということで、曽祖父死去時点での相続人は6人ということになります。
ややこしくなるので、奥さんはその後、程なく亡くなり、子どもたちが先に逝くことはありませんでしたという設定にします。
ということで、妻の部分は考える必要がなくなり、相続人が5人になります。
(BCDEFさんとします。)
さて、その5人の子どもたちの内、息子3人(BCDさん)、娘1人(Eさん)は子どもがそれぞれ4人ずつ、息子1人(Fさん)は結婚はしたものの子宝に恵まれず子どもは0人でした。
この人たちはFさんの後を追うように翌年亡くなったFさんの奥さんも含めて、
数年前の時点に、みんな夫婦共々この世を去ってしまいました。
幸いにして、子どもが先に逝くケースは今回もありませんでした。(という設定)
ということで、この時点で当該物件は4人×4人=16人、1人×1人=1人の17人が相続人になりますね。(BAさん、BBさん、BCさん、BDさん、CAさん、CBさん、CCさん、CDさん、DAさん、DBさん、DCさん、DDさん、EAさん、EBさん、ECさん、EDさん、故妻FXさん。このBAさんがMMSパパですね。)
(子なし妻有の息子さんは奥さんが遺されたというケースにします)
さて、更に考えてみます。
BAさんことMMSパパは5人子どもがいます。(離婚済)
BBさんは3人子どもがいます。
BCさんは2人子どもがいます。
BDさんは奥さんだけでした。
CAさんは1人子どもがいます。
CBさんは3人子どもがおり先日他界されました。
CCさんは2人子どもがいます。(離婚済)
CDさんは2人子どもがいます。
DAさんは奥さんだけでした。
DBさんは独身です。
DCさんは2人子どもがおり先日他界されました。
DDさんは2人子どもがいます。
EAさんは3人子どもがいます。(離婚済)
EBさんは奥さんだけでしたが、不幸なことにご本人が3年前、奥さんも昨年他界されました。(奥さんは3人姉妹で、2人妹がいます。)
ECさんは2人子どもがいます。
EDさんは1人子どもがいます。
亡くなった妻FXさんは兄弟が4人おり、末の妹を除いて3人は亡くなっていました。
こんな感じだと権利を持つ人は何人いるのでしょうか?
【もう訳分からん!】って感じじゃないですかね(笑)
ご存命の方がいる限り、その人の段階で権利は止まっているので、
その下の子どもたちは関係ないですが、早く他界された人がいれば、その子どもたちに権利は継承されるでしょうし、お子さんがいない場合は兄弟が相続権を持つので、奥さんの兄弟の更に奥さんや旦那さんやそれらの方々が亡くなっていた場合、代襲相続で子どもたち(甥、姪)にもその権利は繋がっていきます。
権利っていうか義務が繋がっていくと言った方が良いでしょうか?
【巻き込まれた方は迷惑】という話にもなるでしょうね。
まして、そうやって相続登記が放棄されているというのは、
往々にして田舎の広い土地である可能性が高いですからね。
(価値の高い土地であれば放棄せずに適切な形で各々が権利主張するということが多いでしょうし)
さて、てきとーとはいえ、例題を書いてみたので、一応、何人か数えてみます。
BAさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
BBさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
BCさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
BDさんはご存命なので、奥さんは関係なく1人
CAさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
CBさんは他界されているので、奥さんと子どもが対象で4人
CCさんはご存命なので、子どもは関係なく1人
CDさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
DAさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
DBさんはご存命かつ独身なので1人
DCさんは他界されているので、奥さんと子どもが対象で3人
DDさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
EAさんはご存命なので、子どもは関係なく1人
EBさんは本人→妻の順で亡くなったので、奥さんの妹2人に権利が行きますので2人。
ECさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
EDさんはご存命なので、奥さん子どもは関係なく1人
亡くなった故妻FXさんは兄弟が4人おり、末の妹を除いて3人は亡くなっていました。
22人+FXさんの妹さん、3人の奥さんや旦那さん、その人たちが亡くなっている場合は子どもたち、子どもがいない場合は配偶者の兄弟など
ということになりますので、ざっくり30人近い人間がその物件に対しての権利を持っていることになりますね。
これはまだ60代~70代であるMMSパパ世代の方がまだまだ皆さん多く健在だから、
この程度で済んでいますが、このまま5年、10年と経って、他界される方が増えていくと、ねずみ算的に加速度的に対象となる人が増えてくるということですね。
50人を超えてくるケースもありえますね。
・・・これってかなり「やばい」ですよね。
事態をこれ以上複雑化させないためにも、現時点での対象人数を計算して、
可能な限り連絡を取りあって、現状住んでいるMMSパパのような方に権利を固めるような手続きを取った方が良いでしょうね。
それこそ何かのことで難色を示すような人がいれば、権利を買い取るみたいな形で多少なりとも色を付けてお金を用意したり、手続きを助けてあげたりなどもした方が良いのかもしれません。
ほんと、そう考えると私の場合は、祖父があまり裕福ではなかったということもある上、田舎を捨てて上京しているので(とか言いつつ郷里に墓があるといういびつな形ですけども)恐らく大丈夫じゃないかな・・・と思えるのが良かったかなと。
とはいえ、私は長男、父も長男、祖父も長男、曽祖父も長男・・・ということで、
曽祖父から祖父のところで本来、祖父が継がないといけなかった土地などを他の兄弟に正式な手続きをせずに継承させてしまっていたりすると、
私の曽祖父の名義の不動産などが、父も亡くなっている私(と妹)には降りかかってくるということで、【もしかしたら私も何かの権利に関わっているかもしれない】
可能性もあるかなと思い始めてきました(苦笑)
さて、素人なので誤認があるかもしれませんが、多少の間違いはあるだろうにせよ、
祖父母、曽祖父母などの名義の不動産をそのまま相続登記しないまま使っていると、
年々、状況が取り返しのつかないレベルになってしまい、専門家のサポートをもらう必要が出てくるなど、時間や経費も莫大にかかってくる可能性がある。
ので、今からでも早く対処された方が良い。
ということですね。
【2024年から相続登記が義務に!】というリリースも出ていますので、
お読みになった方で1ミリでも「なんか、うちやばくないか?」等々感じられた方は、
ご確認されるのも良いのかなと思います。
以上、ちょっとした雑談と脳の体操的な記事でした。
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