ソーシャルレンディングでもない、不動産クラウドファンディングでもない、
一風変わったスキームの投資ファンド事業者、
【SOLMINA】(ソルミナ)について、今回はご紹介します。
ソルミナはソーシャルファイナンス株式会社という、
東証マザーズ上場企業である株式会社フィットが設立した子会社ですので、
【上場企業系】という表現をして良いだろう事業者ですね。
※9/13 17:30 追記:一部、記事を修正致しました。
まず、最初に大事な部分なので、再度書きますが、
ソルミナはクラウドファンディングでの募集、運用ではありますが、
ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングではありません。
もっと言えば、不動産クラファンの土台となる、
不動産特定共同事業法(不特法)の事業者でもありません。
スキームの細かい部分については自分なりに分かっている範囲でご説明しますが、
一言で言うと【GK-TKスキームにて太陽光設備などを運用する事業型ファンド】
ということになります。
(このスキーム自体は歴史があり信頼性のあるものです。)
スキームの概要については、下記の外部リンクもご覧いただければと思います。
↓GK-TKスキームについての参考記事です。こちらが比較的分かりやすいです。↓
電力ファイナンス | 行政書士トーラス総合法務事務所トーラス・フィナンシャルコンサルティング株式会社
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実は、現在、ちょっとした誤認を招くような事柄があり、
(事業者様に起因する問題ではありません)
広告掲載者の中には「ソーシャルレンディングです」
という説明をする方がいらっしゃるかもしれませんが、
(既にそういった記載のブログを見かけました。
一方、事業型ということを理解されているブロガーさんもいますね。)
これは誤りですので、まずそこだけ読み手の方には踏まえていただければと思います。
あまりスキームの細かいところを書いていると、
たぶん読む気が失せてくると思いますので、
まずは近日募集開始予定の案件の概要を下記に書いてみます。
案件名:SOLMINA再エネファンド3号
募集金額:847万円
目標利回り:5.17%
運用期間:60ヶ月
投資最低額:1万円より
募集開始:9/15 12:30~10/17 一杯まで(先着式)
この案件の特徴としては、【稼働済の太陽光設備】を、
事業者がグループ会社より買い付けて、
その発電収益を投資家に分配するというところです。
つまり、事業者は太陽光発電の設備自体の保有者となっており、
投資家はその事業者そのものへ出資をしていることになるわけですね。
ですから、ローンではなくエクイティ部分への投資となりますので、
ソーシャルレンディングではないということです。
太陽光設備なので、日照その他に左右されることもあり、
利回りは確定的ではありませんが、FIT(固定買取制度)があるため、
基本的には不特法におけるマスターリース的のような形で、
ある程度の利回りは確保されているのがメリットです。
利回りは5%強と比較的高く、そして期間も長いため、
空白期間によって資金効率が落ちなくて済む。
というのがじっくり投資したい派の方にとって、一つメリットとしてありますね。
また、【元本償還と利払いがセットで定期的に行われる】ため、
太陽光設備という万が一の災害リスクによる棄損が考えられる投資対象であることを考えれば、元本が早めにある程度返ってくることは安心感に繋がるだろうなと思います。
(尚、太陽光設備への事業型ファンドではこの形を採るのが一般的なようです)
その他、GK-TKスキームを活用したファンドは、
レンダーからの借入があることが一般的ですが、
ソルミナでは元本の棄損リスクを下げるべく、
借入は行わない(補完的な扱い)ような案件組成を考えているということなので、
よくインカム投資界隈では耳にする【ミドルリスク・ミドルリターン】という言葉が、
結構、ドンピシャで当てはまる商品だろうなーとは、
HP全体や案件の詳細を見てみて思いました。
ここから先はちょっとややこしいスキームの話もしますので、
一旦、小休止ということで、バナーリンクを貼っておきます。
ご興味の出た方は、ご活用ください。
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さて、GK-TKスキームというのは何なのかについても多少だけ触れておきます。
↓詳しくは下記の別記事で自分なりに書いてみました。合わせてご覧ください。↓
このスキームを使ったクラウドファンディング投資の事業者は、
今のところ、ごく少数・・・というか、ビットリアルティくらいでしょうか。
私の知る限り、ソルミナが初では?と思いますが、
強いて言えば、ビットリアルティの案件の土台となる部分が、
このスキームで出来たものです。
※訂正:冷静に考えてみたら、ビットリアルティの案件はGK-TKスキームを使った投資法そのものでした。土台となる部分と合わせて、2つGK-TKスキームを使っているという説明が正しかったです。上記を訂正致します。
(ただ、いずれにしても珍しいスキームを活用したクラウドファンディング投資であることは違いありません)
詳しくはビットリアルティについて解説した記事を、
合わせてご覧いただければと思います。
今回の記事でもちらっと書いてみますが、
まず、GK-TKのGKとは「合同会社」の略、TKとは「匿名組合」の略です。
何気に横文字のようで日本語だっていうのがちょっと面白いですね(笑)
ソルミナの場合は、ソーシャルファイナンス株式会社(金商二種事業者)が、
投資家の勧誘、募集などをするプラットフォーマーとして運営をします。
ですが、投資家の出資したお金を受領する事業者は、
「合同会社再エネファンド」という【合同会社】になります。
(合同会社は株式会社とそう変わらない仕組みですが、安価に設立出来、決算報告が不要などのメリットがあります。最近ではアマゾン・ジャパンなど外資系が合同会社としているケースが多いです。)
この合同会社は太陽光設備など収益を生む特定の事柄の運営のためだけに作られたペーパーカンパニーのため、
その他の事業によって収益が増減したり、会社が倒産するリスクをなくせます。
また、匿名組合へ配当するために設立された合同会社であるため、
パススルー課税と言って、合同会社自体の儲け(収益)は一切課税がされません。
そのため、収益が丸々投資家にそのまま配当されるというメリットがあります。
(ただし、当然、投資家はその配当が雑所得となるため、納税の必要が基本的にはあります)
つまり二重課税されないための仕組みが、
GK-TKスキームのキモということになりますね。
ただし、ペーパーカンパニーで社員がいないのでは、収益を生むための運営が出来ないですから、実際は、オリジネーターが実務を執り行います。
このオリジネーターが設備を売却した、同じグループで2社ある親会社の内の、
株式会社フィットではないもう一つの親会社、株式会社メディオテックです。
投資家は元本の棄損リスクを収益を生むための本来の事柄のみに限定出来、
オリジネーター側は、保有している財産をキャッシュ化して、
資産の小口流動化が出来る上、マネジメント等の諸経費の利鞘も稼げる。
つまり、投資家、事業会社どちらにとってもメリットがある仕組み。
ということが言えるのかなと思います。
またスキームについては自分の勉強のためにも、別記事を書いてみます。
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さて、小難しい話はここまでとして、
ソルミナについての重要ポイントをまとめますと、下記のような形になります。
1:ソルミナはソーシャルレンディング、不動産クラファンではない
2:ソルミナは金商二種の募集会社であり、出資先は別会社である合同会社
3:合同会社と匿名組合を組み合わせたGK-TKスキームにすることにより二重課税されないため、利回りを高く保つことが出来る
4:元々の保有者(オリジネーター)はオフバランスが出来るメリットがある
5:電力の買取保証があるため、利回りが比較的高い数字で安定している手堅さがある
6:GK-TKスキームを活用しているが借入がないため、出資者より優先される相手先が存在せず、元本の棄損リスクが限定される
7:災害による棄損リスクの軽減措置として、先に元本償還がなされていくので、運用期間は長いがリスクは限定的
以上です。
字面だけ見てしまうと、利回り5%で運用期間も長いし、太陽光・・・
ソーシャルレンディングの太陽光は怖いな・・・
みたいな印象を持ってしまうかもしれませんが、
スキーム自体が全く別物であり、実際にグループ会社が保有し、既に運用している設備を回してもらっての事業となるため、
基本的には手堅く運用されていくと考えて良いのではないかと思います。
まだまだ新興事業者であり、案件の出るペース、利回り等の中身は未知数ではありますが、上場企業系の運営会社であることもあり、
ある程度のペースで募集は続くんだろうなとは思いますし、
多少耳にした感じだと、ある程度、事業の規模は大きくしていきたいようでしたので、
期待の新規事業者と言っていいだろうなと個人的にも感じています。
太陽光などのクリーンエネルギーの事業者ということで、
ソーシャルレンディング投資家を筆頭に、少し不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、得体の知れない事業者への貸付案件とは違い、
歴史のあるスキームで上場企業グループが関わって行われる事業ですので、
ある程度は信頼感を持ってサイト、案件を見ても良いのかなと思います。
ご興味の出た方はHPをご確認の上、登録・投資をご検討されてはいかがでしょうか。
以上、自分なりに、SOLMINA(ソルミナ)についてご紹介してみました。
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