どちらかといえば組成件数の少なかった ASSECLI(アセクリ)がここのところ、
結構ハイペースに案件を組成してくるのでびっくりしますね。
しかも今回は事業者初の【名古屋案件】ということで、
首都圏専門かと思っていたアセクリで名古屋・・・意外な感じがしました。
ただ、アセクリの得意分野は築古物件の一棟での運用、再生なので、
そう考えてみれば首都圏の郊外だけではなく、
中部圏、関西圏で同じような案件が出てくるというのも、おかしくはないなと。
ましてアセクリを運営しているエボルゾーンの親会社は岩本組というゼネコンですから、それも合わせて考えれば「そりゃありえるよな」と思った今回でした。
-----------------
さて、今回の案件、名古屋案件で土地勘がないので、
月並な紹介にはなってしまいそうですが、自分なりに見ていきます。
案件名:名古屋市熱田区#11ファンド
募集金額:6550万
利回り:6%
運用期間:12ヶ月
募集期間:8/5 18時~8/15 最終まで
物件は名古屋市熱田区の1棟賃貸マンションで、
最寄り駅は名古屋市営名城線「伝馬町」駅徒歩5分・名鉄常滑線「豊田本町」駅徒歩7分・名鉄名古屋本線「神宮前」駅徒歩14分とのことです。
織田信長が今川義元を討った【桶狭間の戦い】で事前に先勝祈願をしたことでも知られる【熱田神宮】へ徒歩圏ということで、歴史のある街でありながら、
名古屋駅まで最短で17分という利便性の高さも持ち合わせている地区とのことです。
正確な所在地は限定情報のため書けませんが、住所で調べてみたところ、
公示地価も、1平米あたり30万~35万と結構高い地域ということが分かりました。
1平米30万~35万と言えば、首都圏で言うところ23区の端っことか、埼玉なら川口(の一等地のちょい下)や浦和(の一等地のちょい下)くらいのあたりですから、
そう考えてみると、見た目の通り、築古の物件ではありますが、
立地は結構良いですよね。
それでいて利回りを6%払えるというのは、
やっぱり首都圏でないからというのが大きいのかなと何となく思いました。
限定情報に触ってしまうので詳細な情報を書けないのですが、
この案件は、少しばかり悩ましいところがありまして、、
というのは、【劣後出資者の利益が薄め】というところです。
つまり【頑張って投資家に6%の利回りを払う】という形になります。
これをどう見るかが投資判断における、一つのキーポイントになりますね。
プラスに捉えるならば、【自社の利益を削っても投資家に高利回りを払ってくれる】
という風にも考えられます。
実際、そういう気持ちがあるので、こういった形になっているんだとは思います。
こういう事業って評判次第なところがあるので、
折角良いイメージでここまで来ているのに(言葉は悪いですが)
ケチって低い利回りの案件を変に組成してしまうと、
ブランドイメージを棄損することにも繋がりますからね。
だから、頑張って6%にしたというのはありそうです。
前回の市川案件では、優先出資者と劣後出資者の利回りがほとんど同額だったので、
これでも「何の手間もかけずに済む投資家」と「色々な手間がかかる営業者」
が同じ利回りで良いのか?と思うところがあったのですが、
今回は更にそれよりも投資家に有利な配分にしているわけですから、
そういう意味で、プラスに捉えられる部分は当然あると思います。
余談ですけど、このあたりの配分の差は、
これが都内の一等地にある綺麗なマンションとかで利回りが低い物件だと、
資産性が高く、そう簡単に値崩れしない上に価格上昇にも期待出来るので、
【投資家にはインカムを、営業者には転売によるキャピタルを配当】
という棲み分けの中で、
【まあ、劣後出資者の配当があまりなくてもそれはそうだよね。それくらいしてくれないとね。】ってなるところですが、
今回は築古かつ、地方案件(それなりに利便性の高い立地ではあるものの、首都圏で言えば良質な郊外くらいの土地ですね)で、これなので、
正直、投資家有利だなという印象を私は持ちました。
逆に営業者としての企業努力はプラスに捉えるにせよ、ここをマイナスに考えると、
少しの賃料マイナス(退去などで)で、
優先出資者の配当部分が毀損するリスクがあるということには無論なります。
劣後出資が15%ありますし、売却時の金額調整も出来うる物件なので、
そう簡単に投資家の元本が毀損したり、利回りが大幅低下するということはまずないでしょうけれど、とはいえ、他の案件に比べるとクッションはやや薄め。
ということは言えるでしょうね。このあたりは注意が必要です。
(という風に数字の部分によって、実際の案件の【厚み】的なものは違いがあるので、
劣後出資の%だけで判断するよりは、総合的に見る必要があることもあり、
私はあまり劣後出資の%は気にしていなかったりします)
では、何故そうなっているかというところですが、恐らくは、
【キャピタルに営業者としても期待が持てるから】ということなのかなと思います。
現時点ではマックスの利回りに比べて、現況の利回りがやや低めの状況ですが、
(限定情報なのでぼかした言い方にしておきます)
12ヶ月=1年という運用期間の中で、投資家に一旦リスクを転嫁し、
自社は次なる有望な不動産を得るためのキャッシュを得つつ、
(得たキャッシュも一部活用しながら)
よりマックスの利回りに近づけるための活動を行って、
1年という運用期間の中で、良い形を構築し、良いタイミングで売る。
ということで、投資家に高めの6%の利回りを払ったとしても、
最終的には利益が出せるということなんだろうなと。
また、こういった築古の物件は元の所有者の事情で安くても売却したいという意向が出ることもあるでしょうから、
そういう意味では、不動産の価値や募集金額(劣後出資も合わせた総額)はこういった金額ですけど、取得金額自体はもっと安かったということもあるのかもしれません。
そうであれば、それこそ投資家へ払う利回りが多少高くとも、劣後出資者のインカム利回りが多少低くとも、充分事業としては成り立つということも言えますよね。
そのあたりの裏側の正確なところは分かりませんが、
出口に自信があるからこその、こういった形の配分なんだろうとは想像します。
実際、素人が何となくネットで調べた程度ですけど、
エボルゾーンさん側が充分な利益を出すために必要な売却金額や、その際の表面利回りを調べたところ、【厳しいな・・・】という印象に至ることはなく、
むしろ、【たぶん上手く売却出来るだろうなー】という印象を持てました。
無論、現況がマックスの利回りからやや遠いところなので、
そこをどうするかという問題はあるんでしょうけど、
そこはプロの不動産会社ですから、改善方法は色々あるんでしょうね。
--------------------
というわけで、まとめると、
【投資家への配分が多く、営業者への配分が少ない】
(ただし取得金額が安い可能性もあるでしょうし、想定される売却可能金額を勘案すると営業者側の利益も充分出せそうではと思える)
【投資家に高めの利回りを払ってくれる点はプラス】
【営業者への配分を減らしたにも関わらず6%なので、やや物件の収益性が現況のままだと低いのはマイナス】
こんな感じでしょうか。
私は基本的にアセクリに対して良い印象を持っているので、
この案件でも充分アリだとは感じますが、
地方案件かつ、物件の収益性がやや微妙、それで利回りは高めとはいえ6%止まり。
ということなので、今回はスルーする方もそれなりにはいそうだと思います。
例えば中京方面の事業者ですと、【信長ファンディング】という上場企業が運営している不動産クラウドファンディングサイトがありますが、
こちらの案件は5%前半くらいの利回りではあるものの、
劣後出資者である事業者の利回りが結構高めで、安定感はあるので、
母体が上場企業なのか、非上場企業なのかの違いもありますが、
物件としての安定感もこの案件はそういった案件と比べて劣るかも・・・
とも思います。
ただ、とはいえ、今までのアセクリの安定感、安心感を考えれば、
この案件がNGということではなく、少し悩むな。ってくらいの感じであり、
SBISLの償還金が浮いている投資家の方も結構いるでしょうし、
この内容でも結局は埋まるのかもなって気はしますね。
もしかしたら、それこそ、事業者側も投資家に浮いているお金があるだろうという予測の下、この案件を当ててきたという可能性もあるかもしれません。
という風に多少なりとも色々な角度で考えてみると、悪い案件ではないですが、
もうちょい良い案件もあるといえばありそうかなとは思います。
うーん。自分自身、結構悩んでいます。
地域分散という意味ではこの案件はアリじゃないかなと思いますし、
運用期間が12ヶ月なので正味の利回りがあまり落ちずに運用されますからね。
それに、現況のままだと理想的な形で償還まで行かれない感じがある=良くも悪くも手を打っての売却となるので、早期償還はそんなになさそう。
って考えると、程々に投資している楽しさもあるって感じもして、悪くはないかなと。
ただ、この案件よりもっと良い案件がアセクリそのものからも出てくるんじゃないのかなって気もしないでもないんですよね。
それにSBISLの償還金が返ってくる時期になったら、
少し事業者全体が渋めの利回りの案件を出してきている感じもして、
無理に刈られなくても良いような・・・って気もしますしね。
私の場合はここまで文章を色々書いても、最後の最後で1押し足りない気がして、
結局投資しないというパターンが結構多いので、
(書いたことで自分の中の投資したい欲・・・
煩悩的なものの消化が進んでしまう時があります笑)
毎回そのパターンというのも何だかつまらないし、
悪い案件ではないんだから投資してもいいかなとも思いつつ、
でも、もう一声欲しいような気持ちもしたりしています。
というわけで、ギリギリまでお財布と相談しつつ悩んでみたいなと思う案件でした。
以前だったら間違いなく投資してたんですけどね。
ここ最近は裾野が広がってお宝案件がひょこっと色々なところから出るので、
判断が難しいですね。
ちなみにアセクリの夏休みは8/7(土)から8/15(日)と長く取られていますので、
仮に案件が満額に至らず募集中だとしても、
登録の処理はその間、進まない形になります。
新規登録をご検討されている方は、是非お急ぎください。
以上、ASSECLI(アセクリ)の新規案件について自分なりに考察してみました。
ご興味が出た方はHPをご確認くださればと思います。
募集日まで迫っていますが、一応広告リンクは下記に掲載しておきます。
--------------------------------