前回記事でWARASHIBE(現:COZUCHI)の渋谷案件の中止及びその代替案件があり、
それが東陽町案件であることを書きました。
こちらの記事ではその東陽町案件について自分なりに書いてみます。
どっちの方が良いということを書くのは片方が中止になった以上、無意味な話なので微妙なところもありますが、【こっちの方がむしろ良いか?】
という感じもしてきます。少なくとも劣ることはないのかなとは思います。
ただ、前回案件よりは少し前提条件が複雑なので、そのあたりを補足的に自分でも書いてみたいなというところもあって、記事にしました。
※前回記事は下記です。合わせてご覧ください。
まず、今回の案件の概要について書いてみます。
案件のタイトルは【江東区東陽町 区分マンション】で、
募集金額は1600万、期間は6ヶ月、利回りは4.5%です。
全てが抽選となっており、7/16の19時から7/19の13時までと期間が短くなっています。
渋谷案件を予定されていた方の資金効率を落とさないようにという配慮と、
考える時間を作ってもらえたらという配慮なのか(これは私の想像です)、
募集開始日が後ろに行っているものの、抽選期間を短くすることで、
運用開始日はあまりずらさないという形になっています。
募集総額が減ってしまったのは残念ではありますが、代替案件を作ってくれたことは良いなとは思いますね。
さて、この案件ですが、他の事業者も含めて今までにあまりないタイプの案件なので、
少し自分なりに補足的な感じで案件の説明を書いてみたいと思います。
まず、詳細な説明の方を引用して書いてしまいますが、
「前所有者である不動産事業者が、リースバック取引(※1)によって相場より安く取得しました。しかしながら、前所有者は居住用マンション(マイホーム)として販売することを目的としており、入居者が退去するまで商品化できず保有し続けていましたが、本物件をオフバランスしたい前所有者のニーズに応え、当社が割安な価格で取得することができました。 本物件の価格調査レポートによると、2021年1月の売出価格の中央値が208万円/坪となっており、取得諸費用を全て含めた本物件のファンド簿価は133万円/坪のため、中央値より約37%ディスカウントされた金額での取得となっています。
※1 リースバック取引とは、売却後もマンションに住むことを認める代わりに、市場価格より割安な価格で取得が可能な取引」
・・・だそうです。まあ、これで分かる人はそういうことなのでお得な案件ですね。
という説明で終わっちゃうのですが、もうちょい噛み砕いて自分なりに書きます。
まず、時系列を追って書くと、今回の区分マンションを元々保有していた住人A氏が、何らかの事情でお金が必要になったか引っ越したい気持ちが出たかで、不動産会社B社にマンションを売却しお金を得た。ただし、すぐに引っ越すのではなく、リースバックの形で(今、流行りですね)保有者は不動産会社になったけれども、B社保有の物件にA氏がそのまま賃貸として住むという形で、以前同様に使って住んでいる。
B社は借入をし、A氏から物件を買い取ったため、A氏からの賃借料を基に金融機関への利払いをしていた。
そういう意味でB社はこのままこの物件を保有し、賃貸として運営し続けても【何の問題もない】とも言えるでしょうか。
最終的にA氏が引っ越しをされるならば、安く買い取り出来ている以上、購入者を探すための本業にそこから着手すればいいわけですし、引っ越さずずっと住まれているとしても、家賃が入ってくれば問題ないわけですからね。
ただ、とはいえ、不動産会社は物件を買い取って、修繕等を施して、他者(他社)に売却してキャピタルを得るという方が本当はメインですから、(少なくともこのB社さんはそういうタイプの会社なんでしょうね。)
その本業を更に拡大させていく中で【この分の借入】が自社のB/S(貸借対照表⇒経営の数字そのもの)に乗っかってくると、借入額が大きくなって、次の借入が出来ない。であるとか、しづらくなったり。であるとかあまり良い影響がない。
専門的な単語で言うと、「ROA」が大きくなってしまう。
そのため、その不動産会社B社はWARASHIBE(現:COZUCHI)を運営するSATAS(現:LAETOLI)に、この物件を売却した。ということですね。
B社が自社をより拡大させていこうと考える中で、こういった【流動性の低い】保有物件を一度自社の経営の数字からどける(オフバランス)という判断になった。と。
恐らくかなり安く物件を入手している関係上、それなりに安い価格でSATAS(現:LAETOLI)に売却したとしても利鞘はある程度稼げるんでしょうし、
そしてSATAS(現:LAETOLI)としてもB社さんが困っている中を助けてあげるという観点において、
当然市況より安く買い取ることが出来ている。
ので、やっとクラウドファンディング側の話に戻ってきますが、
【売却時に元本割れするリスクがかなり低い】という安定的な案件であると言えます。
今回はリースバックとして住まわれているAさんが引っ越すという予定が特に書いていないので、【キャピタル】が発生しないため、【インカム型】の案件ではありますが、
(運用期間が終われば、そのままSATAS社(現:LAETOLI)の保有物件に戻るだけ)
万が一、引っ越しが発生した場合は、市況より安く買い取った物件を、また別の他社へ転売することもOKという約束なので、それがもしクラウドファンディング運用期間であれば、投資家へのキャピタル配当として入ってくる可能性もある。という感じです。
もっとも、それが出来なくとも、あくまで元のB社が簿価に10%を上乗せした価格で買い取るという約束が、
むしろB社側から提案されているので、どちらにしても、堅い。ですね。
形は違いますが、ソーシャルレンディングにも似たようなタイプの案件なんですよね。
B社に対してお金を貸すのではなく、お金を払って物件を代わりに持っていてあげる。
あくまでこの入居者がいる間は転売はしないわけなので、お金を貸しているのとちょっと似たところはありますね。
ただし、お金を貸してあげた場合は万が一払われなかった時に、抵当権を使って物件を入手するという手間がかかりますけど、
今回の場合は既に物件はSATAS(現:LAETOLI)さんが保有しているわけなので、B社が万が一倒産しても、無関係ということが大きいです。
既に市況より安価な価格で買い取れていて、自社物件なので高値でB社に戻すもよし、
(疑似的にお金を貸して、利払いを受けていたのと似たような形。しかも入居者からもお金を得られている。)
あるいは他社へ転売するも良し。
ということで、入居者がいることでの制約はあるにしても、
使い勝手の良い部分が貸し付けた形よりある。という感じでしょうか。
なので、今回のみならず、この先もこの物件をクラウドファンディング事業に使うことも出来そうだよなーとかも思いました。
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良い案件だった渋谷案件の取り下げは残念。
代替案件の募集金額が下がってしまったこともある。
とはいえ、上記の通り、リスクのかなり低い案件を代替案件で持ってきたことは結構価値がありますよね。
(しかも劣後出資も2割ありますので、かなり堅い。)
初回の方向けのキャンペーンも変わらずにあるので、
私に関しては、案件の内容としても、良いなと感じられたので、
オススメするスタンスを崩さず今回もご紹介してみました。
募集金額が少ないですし、キャンペーンが初回の方向けなので、
私は(空気を読んで)見送りますが、
新規登録しての参加は推奨出来る案件だなと思いました。
尚、キャンペーン内容についても再掲しておきます。
【WARASHIBE(現:COZUCHI)に初めて投資いただく方で、かつ、本ファンドに10万円以上投資した方全員に投資額3%分のAmazonギフト券をプレゼントします。】
という内容で、運用期間が6ヶ月なので、年利6%分のギフトということになります。
破格ではあります。ただし、募集金額が小さいので抽選に当たるかという問題はあるかもしれませんが。
とはいえ、今回の案件の金額が小さくなってしまった分、この先も初回の投資の方にお得なキャンペーンは作ってくれる可能性がありそうなので、
抽選に当たることを願って初応募するというのもアリかもしれません。
案件変更に伴って募集開始日までの日数が増えましたので、
ご興味のある方は、HPをご覧になってみてください。
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※尚、不動産クラウドファンディングについて紹介する際は、知名度が劣るため、
類似した投資であるソーシャルレンディングをタグに入れています。両者は似たスキームですが、別物であることはご留意ください。
逆にソーシャルレンディングについて紹介する際は、不動産クラウドファンディングのタグは入れておりません。