昨日はなかなか仕事が忙しく、終わりが見えない1日でした。
とりあえず、そんな中ほんの少し気分転換に勉強をしてみました。
「レバレッジド・バイアウト」という言葉についてです。
こういうの株式投資をやられる方とかは大体分かっているもんなんでしょうかね。
私は株式投資をしていないので、ROEがどうとか、PERがどうとかって言われても説明されると、「ああ、なるほどね」って思うものの、いきなりはピンと来なくて、このあたりは勉強中です。
今回はそんな3文字の横文字の1つ、LBOについて素人が勉強がてら呟きます。
LBOは主にファンド系の会社が、よその会社を買収する時に使う手法なんだそうです。
(ファンド系の会社ではなくとも使うことはそれなりに多いようですが)
やり方はこんな感じだとか。
1:SPCを作る。(中身が空っぽの会社が出来ます。
後で合併して普通の会社になるので株式会社で設立することになります。)
2:SPCが金融機関からお金を借ります。
(空っぽの会社にキャッシュと借金が積まれます。)
3:SPCが対象企業を買収します。
(SPCは株を保有し、その代わりに負債がある状態です。企業は子会社になります。)
4:対象企業がSPCに吸収合併されます。
(新企業は自社の資産と、SPCが借りたお金の分の負債を抱えます。)
あら、不思議。いつの間にか買収された企業が借金漬けになってしまったのでした。
みたいな図式です。
詳しくは下記の記事が分かりやすいでしょうか。
【図解】LBO(レバレッジドバイアウト)とは?仕組みと危険性を解説
ちなみに、こうなると、不思議なことに、「元の自社の価値が大きければ大きいほど、価値を認められていれば認められているほど、負債が積みあがる!」ということもあります。
つまり、NNS商店に100万資産があり、負債は10万で、他は純資産だった。
NNS商店を某さんが「見どころがあるな」ということで500万借りて買収した。
こうなると、新NNS商店は、資産が100万、負債が510万になり、何とも不思議なことに、「のれん」が410万になってしまうわけですよね。
(「のれん」とは会社の実資産より買収金額が多かった場合に発生する、その企業の無形の価値(ネームバリュー、将来性など)を会計上、計算合わせで入れるものです。当然、その無形の価値が多く計算され高く買収されればされるほど、「のれん」の金額は大きくなります。)
いや、ほんと何か不思議な話ですが、その企業の価値が高ければ高いほど、買収した企業じゃなく、買収された企業自身が自分の「のれん」と本当は自分が借りたわけでもない「負債」を背負わされるというのが面白い話です。
つまりBS、、バランスシートが実業とあまり関係ないところで膨れるってことです。
普通の買収の場合は、買収したA社が借入や自己資金で買収先B社を買収するので、
「のれん」で膨れるのは、A社ですが、この場合は、買収された側のB社の方が「のれん」で膨れるというのがやっぱり何度考えても面白いですね。
これについては、スシローやすかいらーくについて書いた記事が興味深かったです。
スシローとすかいらーくの意外な共通点は膨らむ「のれん」だった | 週刊ダイヤモンド特集セレクション | ダイヤモンド・オンライン
ま、これがNNS商店の価値が大したことないと思われれば(100万資産、負債10万の良い企業だけど、NNSさんがじーさんで跡継ぎがボンクラで未来がなさそうと思われたとかで)某さんが110万だけ借りて買収っていう風に額が減って、そうすると、負債も減るし、のれんも減るしってことで、その企業そのものとしてはスリムなBSになるっていうわけです。
そして更にこれが、買収金額が純資産の90万よりも低い額だったら・・・
その時は「負ののれん」として、会計上はプラスになる。
(会社の実資産より買収金額が低いということは、安く買収して帳面上儲けが出たわけなので、負ののれんとして、利益計上が出来る)
これもなんか不思議といえば不思議ですけど、これの方がまだ分かりやすいか。
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という風に「のれん」と「負債」を積み上げつつ、
その負債(借入金)解消と利益を出すために、更に別の会社にLBOをしてもらえるよう、その企業の業績を上げる。というのがファンド会社のすべきところみたいですね。
あるいは非上場をこうやって買ってきて、上場まで持っていって、
株価が上がったところを売るとかってこともあるみたいですが。
というわけで、更にもう何回もLBOが繰り返されると、どんどんどんどん「のれん」「負債」が積みあがるという風になるわけで、
どこでババを引くかという勝負になるんでしょうか。
まだ、そのあたり細かい勉強まではしていないですが、面白いなと思いました。
ただ、LBOがすべてそういう転売とか上場しての売却とかのキャピタル狙いとは限らないようで、つまり、借入をして負債が積みあがったにせよ、
その買収した企業が有望でシナジー効果等も含めて、利益が出ていけば、インカムでその負債を減らしていけばいいわけですからね。
借入金の利率次第では、充分それで対応出来るという側面もあるでしょうし。
どちらのパターンなのかというのは、LBOのための資金調達がどんなスキームなのかというところで大体想像がつくかもしれません。
そのあたりはこの記事が長くなりすぎるので、また改めて勉強して書いてみたいです。
ちなみに、今回のクラウドバンクの大型案件は、こういったスキームを利用していて、
そして、重たい借金漬けの「正ののれん」ではなく、「負ののれん」(プラス)が出ているので、割と私にはアリに見えたんですよね。
そのあたりの詳しい内容はまた別の記事にしようかなと思いますが、
クラウドバンクの案件に関しては、調べてみたところ一般的なLBOよりも保全内容が結構ガチガチなので、そういう意味でも悪くはないと素人目には思います。
というか、今回はそういうスキームのある程度の部分をクラウドバンク側で公開した方が良かったかもしれませんね。
非公開にされていて、説明もないと、何だか怪しく感じてしまうというか。
ソーシャルレンディングは「ほっとく投資」と言われがちですが、まあ、それがいいところの1つであることは否定しないですし、それもそうなんですが、
とはいえ、案件について色々調べると、それはそれで勉強になって、次には繋がるのかなと思いました。
自分なりに勉強したことをとりあえず何となく書いてみて、書くことで整理をし、
他の方がちょろっとでも、「へー」とか「ほー」とか思ってもらえたらいいなということで、今回は書いてみました。
次に時間が空いたら、クラウドバンクの案件についても追加で考えたことを書いてみたいと思っています。
ちなみに、レバレッジド・バイアウトについて詳しく読んでみたいという方は、
下記の記事が一番分かりやすいかなと思いました。
これを読むと、クラウドバンクの今回案件についても少し自分なりに整理が出来たかなって感じでした。