クラウドバンクからなかなか興味深い案件が出てきたので、
自分なりにまとめてみたいと考え、記事を書いてみることにします。
と言いつつ、なかなか時間が取れていないので、どこまでまとめきれるかというところですが、とりえず書き出してみるか・・・みたいなノリで書きます。
(※一部、文章を補筆しました。)
まず、今回の「中小企業支援型ローンファンド」は、
資金使途が、「M&A資金及び運転資金等」というのが結構ユニークですよね。
しかも、総額がかなりの金額というのもすごい話だなと。
(そのあたりは限定情報からの推察になるので、詳しくは書けませんが、
ともかく大きな案件とは言えると思います)
あまりこういうM&A絡みという案件を見たことがなかったので、何ともこの案件の良し悪しが分からないところもあるのですが、色々中身について調べてみると面白いことも分かってきたので、多少の情報はシェアしてみようかなと思って書いてみます。
まず先にデータ的な話。利回りが5.2%、運用期間が14ヶ月。
これは物凄くいいとは言わないにしても、利回りが下がっている昨今からすれば悪くないのかなと思います。
ましてクラウドバンクの場合は利回りの数字が保守的に出した数字であり、その後上がる可能性が結構高いだけにありかなと。
募集は昨日夜から6/17までということで、まずまず長め。
なので、売り切れる云々を別にすれば焦って投資しなくとも期間は長いですね。
で、気になる中身ですが・・・
「意外と知られてる会社絡みじゃん」ということが分かりました。
まず貸付先は新規に作られた会社ということで未知数ですが、グループ会社がまあまあ大きく手堅そうなのはプラスな印象でしょうか。私含めてあまりお世話になりたくないような(?)業務内容もメインの中に入っていますが、まあ、逆に言えば食いっぱぐれないというか、事業としては手堅いですよね。
今回この実質的な貸付先(グループ親会社)が新規事業を計画するにあたって、買収企業が挙がってきたということのようです。
(※尚、その後に調べてみたところ、「新規に作られた会社」はその後、買収対象の会社と合併する形のようです。LBOというスキームを利用するためと思われます。記事の最後にそのスキームについて書いた記事のリンクを貼っておきます。)
恐らく限定情報を見た方の多くは「この企業を買収する意味合いって何なんだろう」っていう風にパッと見た時に思ったと思うんですよね。
私自身、【この企業って何かいい企業なんだろうか?】と思いました。
数値的なことで言えば大きな企業でもないし、特段華やかな何かプロフィールがあるわけでもない。
で、次にそうやって見ていくと、その割に俄然目を引くのは【ん?データ的には結構すごくないか?】というところですよね。
知名度があるわけでもなく、数値的にもその他の表面的な表記的にも魅力的に見えないのに、データで見ると悪くないぞ。と。
ましてこれだけ大きな案件としてM&Aの話が出るんだから、色々訳アリ(良い意味でも悪い意味でも)なんだろう。気になるな。という感じでしょうか。
なので、昨日の夕方調べてみました。
すると分かったのは会社名としては無名でもネームバリューはそれなりにある企業だ。ということです。
詳しくは当然書けないですが、今苦戦している業界の一つで、女性を中心に高く評価されているブランドがあり、今回対象となっている会社のCEOに、以前、芸能人と結婚された方がついたがゴタゴタがあり解任され・・・
みたいな話のようでした。
その芸能人については私自身はあまり詳しくなかったですが、連れ合いさんの応援しているユニットと同じ事務所なので【おお】とか思ってしまいました(笑)
というか世代的にも馴染みはあるし、何ならその某ユニットさんと一緒に生で見たこともあったくらいで、何か、一気に案件に親近感が・・・湧いたような湧かないような・・・
まあ、でも、それなりになるほどと思いました。
で、まあ、そういったゴタゴタがあった以降は、売却を前提としているような会社(扱いが特殊みたいでしたが)がどうも経営権を持ったようです。
その会社についても調べましたが、表に出るような会社さんではないようで、いくつかの名義が確認されましたけど、そのグループ全体は掴めませんでした。
ほんとこうして投資を軸に色々なことを調べると本当に勉強になる。
世の中色んな形の会社があって、色んな事業があって成り立っているんだなとか。
(ちなみにその解任された社長さんも、元々は現在の経営権を持っている会社の仲間のような記事も見かけましたが、逆に現在の会社が買収したことで経営者の座を追われたように読める記事なんかもあり、色々な経緯がどうもあったようですが、そのあたりは詳細不明でした。)
というわけで、今回の案件の最終部分について整理すると、売却を前提としているような会社が、貸付先を有望な売却先として見つけて(引き合いがどっちからどうあったかとかは分かりませんが)、
売却先がクラウドバンクとの仲を取り持ったのか、貸付先サイドがクラウドバンクに接触したのか・・・して、こういった形で案件が決まったって感じでしょうか。
実質的な貸付先と今回買収される側の企業とのシナジーという部分はどうなんだろうと思いますが、貸付先はコンテンツ的なものも扱っているし、買収される側は実物を動かす企業ですけど、華やかな方面という意味では多少なりとも関連性はあるかなと。
また、こういったコロナ禍で恐らく買収先は苦戦を強いられているでしょうけど、
(というか貸付先のお世話になりたくない的な?(ちゃんと私はお世話になってますけども) 事業も苦戦してるかもしれませんが)
「のれん」としての価値は高そうだし、この先の世の中の上昇気流で再度伸びる余地はありそうなので、M&Aを考えたということ自体は理解出来るかなという印象です。
原価が大きく出やすい評価法における評価とはいえ、第三者が出した評価額をクラウドバンク側で割り引いて計算した上で、更にその金額から見ても融資額に余裕があるということで、私としてはこの案件は「アリ」なんじゃないかなと思いました。
それに限定情報なのでどこまで書いていいのか微妙なラインですが、ここはやっぱ書いた方がいいかと思い追記するところなんですが、
買収先企業の資産からすると、今回の融資額は少し小さいものであり、
ということは、会計上は負ののれんに当てはまるのかなと思うんですよね。
(このあたりは全然詳しくありませんので、気になる方はご自身で確認ください)
貸付先としてはそういう形で入手出来るならば、ある程度高い金利を払ってもメリットがあると判断したんでしょうし、逆に売却を前提とするタイプの現在の株式を持っている会社は、やはりコロナ禍での低迷等で先行きも不安だし、ここで売ってしまおうと考えたんでしょうかね。
元々がゴタゴタのところでの取得だったので、そういう意味では取得した現在の会社はそれでも利益として残っているのかも・・・?
そういう詳しい部分は全く不明ですが、少なくとも対象となる企業の状況は必ずしも悪くないため、第三者の提示した評価額は素人目には妥当ですし、
そこに念のため割り引いた価格を基準としたクラウドバンクも保守的で安心感がありますし、そこから更に融資額が低いというのも「お得感」はあるのかなと思います。
明示されていないのであれですけど、一応たぶん保全の仕方等から鑑みるに、クラウドバンクからの貸付(と自己資金とかがあるのか不明ですが)だけで買収が出来るっていうことでいいんでしょうから、その評価額が適正なのかは正直、素人投資家が「適正だと信じてアリと考えている」だけではありますが、
世の中に出回っている情報を基に考える限り、買収対象の企業の「のれん」としての価値は確実にあり、商売もコロナ禍による低迷等があるのかもしれないにせよ表面的には問題なく運営されていることから、それでいて買収自体が会計上プラスの形になるこの買収は、意味のある真っ当な事業としての買収だろうと考えていいのかなと思います。
保全の仕方も何重にもなっていますし、「質権」なので、最悪のパターンはクラウドバンクが買収先企業の運営にも関われるということのはずで、結構しっかり土台は固めてきたって感じでしょうか。
分かりづらい案件でもあるので、どこまで勝負・・・と考えるのかは人それぞれかと思いますが、見れば見るほど、結構いい案件なんじゃないかなと私は思ったりします。
ま、強いて問題があるとすれば「お金がなさすぎて私が現状投資出来ない」
ということくらいでしょうか(笑)
※追記:今回の案件において使われるスキームと思われる、レバレッジド・バイアウト(LBO)について、自分なりに勉強したので、その記事を追加で貼っておきます。
※追記その2:今回の案件について更に考えてみた記事も書いたので、そちらも下記に貼っておきます。
というわけで、結構調べてみたら興味深い案件だったので、
自分なりに色々書いてみました。ご興味のある方はどうぞ。
そして募集期間が長いので、登録していない方も新規投資が出来るかもしれません。
そういう意味も含めてリンクは下記に貼っておきます。