最近、多くの方から提唱(?)されている、ソーシャルレンディングはオワコンだ。
不動産クラウドファンディングがこれからの主流だ。不動産クラウドファンディングなら安心安全だ。
という説ですが、私も特に強く否定しようとは思っていません。
が、ソーシャルレンディングならば何でも怖いのか。
不動産クラウドファンディングなら何でも安全なのか。
ソーシャルレンディングは常に不動産クラウドファンディングに劣る存在なのか。
という風に考えると、それは違うなーと自分なりには思います。
明日からGWということで、それなりに時間も取れるので、
眠くて働かない頭で、自分なりに書いてみたいと思います。
・・・と言っても、私は駄文を書き散らすのが好きなスタイルで、
一から十まで人様に何かを啓蒙したり、お教えしたり・・・みたいなことは面倒くさく感じてしまって出来ないので、
ただただ、だらだら書いてみます。
まず、いわゆるソーシャルレンディング=貸付型はざっくり言えば、
「投資家が出資金を払う」⇒「ファンドを作った会社が預かる」⇒「その会社かその関連会社が別の会社に貸し付ける」
⇒「借りた先が金利を払って何らかの事業を行う」⇒「借りた会社がお金を返す」⇒「投資家に利回り+元本として払われる」
みたいな感じ。
結構、これは安全かどうかとかはすべて置いておいて、スキームとしては分かりやすいんじゃないかなと思う。
自分がお金を貸して、需要家が借りて事業を行い、最終的にお金を返してくれたら儲かる。と。
それに対して不動産クラウドファンディングは、貸付ではないのでちょっとややこしいかもしれない。
「投資家が出資金を払う」⇒「ファンドを作った会社がそのお金を使って物件を入手する」⇒「その会社が物件を運営し利益を稼ぐ」
⇒「利益を投資家に還元する」⇒「その会社が物件を売却する」⇒「元本が返ってくる」
みたいな感じ。
こっちは、自分が払ったお金は誰のものになるかというと、大体の場合、そのクラウドファンディングを運営している企業のものになる。
つまり、出資金が物件に生まれ変わるような感じだけど、実際の所有権はファンドを組成している会社にあって、
投資家にあるわけじゃないので、利回りがもらえたり、疑似的に所有している雰囲気は出るけれど、実際はファンド組成会社に
お金を預けている感じになる。
これに関しては一口馬主をやっている人だと分かりやすいのかもしれない。
ソシャレンは自分のお金が最終需要家に基本的には渡る。
それに対して、不動産クラファンは自分のお金が運営会社に渡る。という違いがある。
そして、ソシャレンは貸付なので、倒産しない限り、その元本を返してもらえることが基本的に当たり前。
これに対して、不動産クラファンは運営会社に渡って、案件の良し悪しで元本が返ってこないことも普通にありえる。
しかも運営会社に貸し付けているわけではないので、案件の成否が大事になってくる。
つまり、ソシャレンに関しては、0か100か的な部分があるのに対して、不動産クラファンは0の可能性は実物不動産が
関わっているので、少ないけれど、100を切ることは理屈的には普通にいくらでもありえる。
ここだけ見ると、ソシャレンの方が実はいいんじゃない?みたいな理屈も成り立たないことはない。
ただし、注意点として言えるのは、ソシャレンは貸付ではあるわけだけど、投資家はあくまで貸し付けた人間ではなく、
投資家は営業会社に出資をしただけであって、貸し付けているのは、その営業会社であるということ。
つまり、私たちは最終需要家が倒産しても、担保があればお金を返してもらえる可能性はそれなりに高いけど、
営業会社そのものが倒産すると、最終需要家に自分の出資額を返してもらうことが出来ないだろうということ。
なので、営業会社の選定がかなり大事になる。
ま、というのは不動産クラファンにも同じことが言えて。
こちらも私たちは疑似的に不動産を所有しているような気分にはなれるものの、あくまで所有権は、ファンド組成企業にある。
ので、その企業が倒産した場合には、その不動産がどんな良い状態であれ、自分たちの資金はデフォルトする可能性がある。
もっとも、倒産する前に、その不動産の所有権がファンド組成企業にある以上、
それを担保にしてお金を借りたりすることも可能だろうし、そのパターンは稀かもしれないけど、
ありえるリスクとしては、例えばその会社が不動産業の他にも色んな他業種をやっていて(SBISLで大騒ぎのT社のように)、
仮に不動産クラファンで集めたお金を、別の事業に突っ込んで、その事業で大赤字が出て、倒産。
なんてことは普通にあり得る話ではあるわけです。
あくまで私たちは疑似的に不動産を所有している気分とそれに相当する利回りをもらえる権利を持っているだけで、
預けたお金で、運営企業が何をしようと、それは運営企業の勝手ですからね。
(多くの場合、次の案件用の資金として使っているっぽいですが、そこはブラックボックスでもある)
そういう怖さはある意味で不動産クラファンの方があるかもしれません。
まー、ソシャレンも誠実に最終需要家に渡していなくて、最終需要家が実は貸付側企業の系列とか、
グルだったりというリスクもあるので、どっちもどっちかもしれません。
ただ、誠実にスキームを読み取る限りは、ソシャレンは必要な人にお金を届けるサービスであり、
不動産クラファンは営業者にお金を預けて、営業会社がお金を膨らませられるサービスであるということは言えますね。
それと、ソシャレンに関しては、あまり多くの人が触れないけれど、大事なところに、
「貸金業者によるソーシャルレンディングなのか、そうでないのか」ということもあって。
大まかに分けると、
1:貸金業者によるソーシャルレンディングの場合
投資家⇒ファンド組成企業A⇒営業会社A´⇒需要家B(AとA´は系列企業、AとBは無関係の企業)
という形になる。
つまり、私たちがポケファンで出資すると、系列企業の財全ソリューションとかビジネスアシストにお金が行って、
そしてどこぞのよく分からない企業や個人にお金が行く。みたいな感じ。
このAとA´はLENDEXとかバンカーズのように同じ企業であることもあれば、
ポケファンやオーナーズブックのように系列企業だけど別会社であることもある。
これが、一番王道のソーシャルレンディング(人によっては旧式なんて言い方もするけど)かなと。
貸金業者が関わっているので、全く無関係な会社にお金が貸せるわけです。
場合によっては、投資家⇒SBISL⇒B社⇒需要家Cとか、投資家⇒バンカーズ⇒C社⇒需要家Dみたいに、
貸金業者であるソシャレン企業が、またまた貸金業者にお金を貸して、更にそこから・・・
みたいなのも結構ありますよね。まさしく金貸しに金を貸すって感じ。
それに対して、貸金業者が関わっていないと・・・
2:それ以外のソーシャルレンディングの場合
投資家⇒プラットフォーマーA⇒ファンド組成企業B⇒需要家B´(Aはプラットフォームをあつらえているだけ、BとB´は常に系列企業)
こういう形になります。これはFUNDSの最初の頃が特に分かりやすかったかな。
その他には、クラウドリアルティ(の一部案件)とか、CRE FUNDINGなんかもこの形になります。
こちらは貸金業者が関わっていないので、本来は貸し付けというのを事業として行えないはずなわけです。
がしかし、プラットフォーマーであるA社はファンド組成のお手伝いをしているだけでお金は貸していないし、
組成企業は出資してもらった預かったお金を元に、親会社や子会社に系列企業内でお金をやり取りしているだけなので、貸金業者でなくてもOK。
という2段階の抜け道で、お金の貸し借りが貸金業者でないのに出来る仕組みになっているわけです。(たぶん!)
この場合のいいところは、【よく分からない最終需要家がいない】ということと、
【FUNDSやクラウドリアルティはプラットフォーマーなので、ここが倒産したところで出資者は無傷】
ということですね。
あくまでファンド組成企業がファンドを募集し、そのお金を系列会社に貸し付けする形なので、
借りたい企業は子会社を作ったりする手間があるものの、投資家としては安心感がある形です。
ただし、やっぱりこっちは抜け道的なスキームだからか、企業としては手間がかかるので、
結局、FUNDSも「ファンズ・レンディング」という子会社を作って、ここを貸金業者として登録して、
需要家に貸す、旧式タイプを結構今ではやってます。
こうなると、大赤字のFUNDSの与信も投資家のリスクになってくるので、あの利回りでいいのかという疑問が生じますね。
逆にCRE FUNDINGなんかは大会社のCREの与信だけがリスク=リスクが非常に低い
わけなので、利回りが低くても安心感がある。と。
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とりあえずまとめると、
1:貸金業者のソシャレン
貸付なので、基本的には100%返ってくる前提の案件。
ただし需要家が倒産すると0%もありえる。0%にしないためには担保のある案件を選ぶ。
とはいえ、営業会社が倒産すると投資家が貸し付けているわけじゃないので、デフォルトする可能性大。
2:貸金業者でない業者のソシャレン
貸付だが、全く無関係な会社に貸し付けることは出来ないので、結果的に見える相手への貸付となる。
また、プラットフォーマーの与信が直接関係しないので、最終需要家の与信だけ見ればいいのでリスク低。
ただし、企業側に手間がかかるスキームなので、利用する会社が大手中心であり、利回りは期待出来ない。
3:不動産クラファン
貸付ではなく、疑似的に不動産を持っている気分にさせてくれる出資。利回りの権利はあるが、
あくまで物件の所有者は営業会社だし、出資したお金も営業会社が好きに使える。
実物件に紐づいている権利なので、0%になることは普通ないが、100%を切ることは普通にありえる。
(ただし優先劣後で緩和はされている)
物件の所有者でもなければ、貸付でもないので、営業会社が手広く他業種等も運営していた場合、
投資家の出資したお金が、他業種等に流用され、棄損する可能性はある。
実は権利については危うい部分がある。
また、出資したお金が営業会社のモノに一旦なるため、そのお金で通常は他不動産を入手したりに使われ、
「営業会社がレバレッジをかけている」ような状態になる。
営業会社の事業、お金を膨らませてあげられるというメリットはあるが、膨らみ過ぎていないかのチェックは必要。
こんな感じでしょうか。
1の旧式ソシャレンが成功しづらいのは、3のような「自分が膨らまない」というところにあるかもしれません。
1の場合は、集まったお金が最終需要家の手元に行くので、最終需要家を膨らませてあげられる
(LENDEXにおけるH、L、T社などがハイペースで不動産を買える)ことは出来ても、自社は手数料だけで膨らまない。
良く言えば、手堅く経営出来るけど、逆に言えば儲けづらいということになる。
だから、無理して会社を大きくしようとして粗製乱造のファンドを作ってしまうこともあるとも。
その点、不動産クラファンの3は、投資家の資金で、営業会社自身が膨らめる。レバレッジをかけられる。
つまり、LENDEXに出資した場合は、HやLを応援していることになるけど、
クリアルに出資した場合は、クリアル自身を応援していることになるような感じ。
そういう意味で、不動産クラファンの方が、営業会社自身が儲けやすいので、
(しかも借入でもないので、お金も使いやすい)
棄損が起こりづらいというのはあるかもしれませんね。
無論、物件の所有者であるということは、自身のタイミングで償還したり売却したりをある程度動かせたり、
それこそ、本物の自社物件とするためにファンドを解散して償還することも出来ますからね。
ただ、やっぱり自分として不動産クラファンについて気になるのは、
「運営会社が物件も所有出来ていて、尚且つお金もゲット出来ていて、更に自社物件だから、
案件を勝手にどうとでも出来る」という部分でしょうか。
他社が介在しない部分が大きいので、ある意味でやりたい放題出来る可能性があるわけで、
そこに悪意があれば、大きなトラブルが起こっても不思議ないかなと。
もっとも、そういう有利な条件でお金を得ているので、普通は真っ当にレバレッジかけて、
会社を膨らませて儲けた方がいいって思うものでしょうけど、スキームとしては気にかかるところはありますね。
もちろんソシャレンでも外部の会社に貸すことで、
【需要家=お金返さないとやばい】【貸金業者=系列の営業会社に迷惑かけられないからやばい】
【営業会社=デフォルトしたら系列会社も含めてうちらの評判やばい】
みたいな感じで、どこの部分でも緊張感が保たれて、ちゃんと償還される可能性が上がるはずであり、
営業会社と最終需要家が系列企業の案件はちょっと怪しいとは言えるかもしれません。
(無論、よく分からない会社に貸すより、クラバンでクラバンの子会社に貸し付ける案件の方が
堅いかも?とか考えるのはありだと思いますが)
というわけで、どちらかといえばソシャレンより不動産クラファンの方が安心感はあるというのは否定しないのですが、
全面的に優秀だ、安全だ。とまでは私は思わないんですよね。
貸付には貸付の良さがある。とは思ったりしています。
まー、更に細かく言えば、ソシャレンでもLENDEXのような抵当権案件なのか、
オナブやポケファンのような根抵当権案件なのかとか、最終需要家の資金用途がどうなのかとか、
不動産クラファンでも、インカムだけなのか、キャピタルも入ってくるのか、マスターリースなのかなんなのか・・・
とか、色々ありますね。
ってか、自分で言うのもなんだけど、投資始めて1年半ちょっとで、よくここまで色々理解したな。
しかも、始めた後半年くらいは飽きてて、放置したりもしてたわけだし。我ながらちょっと偉いと思った(笑)
本当は、不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの利回りという数字の意味するところが、
返ってくる金額的には同じでも、中身としてはそれなりに違うってことについても、
自分なりに一言二言書いてみたかったのですが、
そのあたりは、また次に時間が出来た時に書こうかなと思うのでした。
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ちなみに、よく分からないのですが、ブログ村ってのに登録してみました。
バナーもつけました。
まあ、当分、そこを発展させる感じは考えていないのですが、こういうのつけるとアクセス数とか変わるのかなー。
って気になってやってみました。
一応、触れないのもなんなので、書いてみました。